「あまりにも貧乏だった時に」岬の兄妹 taketakekiさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりにも貧乏だった時に
貴方だったら一万円払ってもいいから抱かせてちょうだいよ?とオカマバーで店長に言われた事があって、「 え?俺、今モテ期?」 と一瞬嬉しくなったが( 阿保か)すぐに冷静になって丁重にお断りした事があった。
身体を売る仕事の人って、こんな簡単に一時間で何万円も稼げて楽だなぁ。と思いながら、この映画の自閉症の妹さんが一回一万円という破格の値段で売春を続けるサマを見て、何のスキルもない資格も無い人が手っ取り早く稼ぐには売春しかないのかなぁ。
それでも踏みとどまって普通の仕事じゃ駄目なのかなぁ。と、思ったがそれ言うと映画が成立しないので本題に入るが、
足が生まれつき悪い兄が、突然リストラされて自閉症の同居している妹さんを食わす為に家の中でできる内職をするが、当然内職の売り上げなんて微々たるもんでティッシュペーパーを食ったりなんかしちゃってどうしようもなくなった時に、妹さんが襲われて一万円を渡されて有耶無耶になる事件が起きる。
これは...、金になる!と思った兄は大型自動車が停車休憩している駐車場で休んでいる運転手に営業をかけて妹さんに売春させて荒稼ぎをして念願だったハンバーガーのセット( ここ見てて悲しくなった)を嬉しそうにパクつく。
これに味をしめて、チラシなんか作ったりしちゃってどんどん荒稼ぎをする。妹さんには常連さんの小人の人に気に入られてリピーターになるも、避妊をしていなかったので妊娠してしまう。その子は結局堕ろしてしまう。
さすがに、子どもを堕ろした妹に売春を強要はできない兄。一度、首になった職場から再雇用の通達をもらう。めでたしめでたしと思いきや、妹さんの売春で使っていた携帯に着信が鳴る。
プルプルプル、プルプルプル、兄は携帯に出るのかどうか分からないままエンドロール...。
初めて、この映画を見た時は妹さんの自閉症の演技が凄かったと思ったが、今思い出すとそれほどでもなかったように思える。
印象に残っているのは劇中で、足の悪い兄に向かって言われた一言
「あんたは足が悪いんじゃなくて頭が悪いんだよっ?!」
容赦ない一言だけど、これだけキツイ事を言ってくれる人って貴重だよ?そんな事言ってくれる人に仕事の相談とかしとけば、こんな目に合わなくてすんだ筈。
探検家でエベレストに挑戦して滑落死した栗城史多さんには大量のアンチがいて「 もう山はやめろ、死ぬから 」 と散々言われていて、逆に賛同者は、「 栗城さんサイコー!もっとやっちゃって!」 と無責任に応援していました。
山を登るにはあまりにもスキルが無さすぎて、このまま続けると本当に死ぬぞと助言してくれたのはアンチの人でした。自分に対してキツイ意見を言われた時にすぐに反発するのではなく、意見をちゃんと聞いて受け入れるのも人生の処世術だぞ?
フォロー、コメントありがとうございます。栗城さんについては自分はアンチ側でしたが開高研ノンフィクション大賞を受賞した「 デスゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」 を読んで、乗ってはいけない神輿に乗せられてしまったカリスマの哀れな末路に共感して、今までアンチでごめんなさいと思いました。今は文庫になって安く買えるのでお勧めです。
こんばんは
栗城さんは、7〜8回エベレストに嫌われて
(それまでが運が良すぎた反動なのか、)
最後の登坂の実況を聞いてたのですが、
もう前に進む(自死)しかなかったですね。
とても哀れに感じました。