メモリーズ・オブ・サマーのレビュー・感想・評価
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少年が大人になる瞬間?っていうのか 女子と遊んだり 上級生に立ち向...
少年が大人になる瞬間?っていうのか
女子と遊んだり
上級生に立ち向かったり
大好きだった母に反抗したり
父と母の関係を疑問視したり
…
寂しさ故に、自分から扉を開いていく
その思春期の心情を細かく描いてて、それがポーランドの景色、チェス、海水浴、自転車など素朴な習慣が尚一層引き立てる
母ちゃん、しっかり!!
尾行する間、真実を描写せずバンビ?が現れる幻想的な世界観に印象的な母親と寝そべる映像が女の子になり、彼一人になり。
理不尽な言葉を浴びせる母親に、父親までもが負けずに子供に怒りをブチまけるような。
まるで八方塞がりでどちらも傷付けたくない想いが健気に伝わり、恋愛で落ち込む少女のような素振りの母親に、面と向かって立ち向かわない父親と、精神的に幼い両親に振り回される息子。
そんな彼も相対する女の子には酔っている?勢いはあるが、傷付ける言葉を浴びせてみたり。
説明を省いた演出が心地よく感じる反面、無事だったメガネ君!?そして、親かよ!?ってマトメ過ぎ。
物理的な刺激
苦い。
苦虫100匹、センブリ茶100杯、正体不明の野草100本をぎゅっと濃縮したエキスを飲むのと同じくらい苦い。
冒頭、気まずい闊歩とショッキングなピョトレックの行動で幕を開ける物語に、これから心が重くなる映画を観るんだと覚悟を決めた。
毛穴や肌の質感までよく見える接写のカメラが印象的で、感情よりも物理的で触感に迫ってくる。
肌が触れ合った感触や硬くて冷たい水面に叩きつけられる感覚、女の香りと煙草の匂い、口内に広がる血の味など、とにかく五感が刺激される。
国も時代も違うのに、生活感が強くてすごく身近にこの映画を感じた。
ママとマイカ、二人の女性と対するピョトレックの一夏。
仲良しのママからは色めき立ったテンションや苛立ちをストレートにぶつけられる理不尽と不快感。
心惹かれるマイカの移り変わる女心に振り回され、何が起きてるんだか何考えてんだかわからない不透明感。
常に心地悪さと惨めさがつきまとってくるのでもう堪らない。
ピョトレック、何も悪いことしてないのに…。
おそらく唯一の友達は夏休み中は親戚の方に行っているらしい。かわいそうに。
麦畑を自転車で駆け抜け、湖で思う存分飛び込み、水際で仰向けに寝転び、汽車と競うように爆走する。
一緒にいる人が変わりながら数回繰り返される、このピョトレックのとっておきの遊びのルーティンの対比が完璧だった。
微かな不安を孕んだ一度目、眩しくかわいい青春の二度目、心に重石がのしかかった三度目。
明るい恋の歌に合わせたダンス。
はしゃいだママと地の底に落ちたママ、先導する人の交代。
楽しさも甘酸っぱさも寂しさも心地悪さもすべて詰まった、これらのシーンの対比と変遷が大好き。
眼鏡のひょろい少年のくだりが一番好きかもしれない。
独りと独りが合流する惨めさから逃げ出したその結果の残酷さ。
謎の再会ではきちんと目と目を合わせて向き合い、ひたすらに遊べたことが心から嬉しかった。
天真爛漫で色気があり、きっと男性が横に居ないと気が済まないタイプのママ。
「母親であることより女であることを選んだ」みたいな言葉をよく目耳にするけど、「母」と「女」が別物のように扱われるのは何故だろう。
子供を産んだら女じゃなくなるのか?
一切の色気を捨てて生活に浸らなければならないのか?
そんなことは絶対にないと思う。
とは言いつつ、子供目線になるとこの映画のママの「女」感にはちょっと引いてしまうしなんなら嫌悪感も不快感も強い。
子供からしたらたまったもんじゃない。
息子とママの上昇と下降を繰り返す人間模様には、思わず自分と母親とを重ねたりして。
噛まれる痛みが蘇ったり、男との逢瀬にキャピキャピしてる姿とか、やっぱりヴッとなるじゃない。
あの掴み合いなんて、私だったら殴り返してる。
そもそもシングルマザーの恋愛ならまだしもがっつり不倫(おそらく相手も妻子持ち)なのがネック。
しかし共感はできないけど完全否定もできない。
私があのママだったらきっと同じことをすると思う。
もう少し上手く隠したいけれど。
マイカの移り気も同様に。だって歳上のちょっと不良兄さんの方がかっこいいじゃない。
追い詰められたのか、自分を見てくれないママの気を引きたかったのか、最後の彼の行動と選択はなかなか胸に突くものがある。
もうどうしたって元には戻れない悲しさが辛い。
希望的な未来も絶望的な落ちも想像できず、ただひたすらのお先真っ暗。
無音のエンドロールも示唆的。
ダンスシーンのあの曲がまた聴きたかったな。
一人称ではないけれど、ピョトレックの主観のような描き方が印象的。
彼が知らないことは私たちにも見せず、時には彼の体験も見せてくれない、もどかしさすら感じる表現。
ピョトレックの日記を映画に起こしたようなつくりだった。
飛び込みしすぎ。回転ブランコ上のキスに憧れる…。
波の国から
父親は出稼ぎ中で母親と2人で暮らす友達の少ない12歳の少年の夏休みの話。
数少ない友達は夏休みでお出かけ中、母親は毎晩の様に着飾ってお出かけという状況で淋しさを募らせていく主人公というストーリーに同年代の女の子が現れ仲良くなって行くけれどという展開。
12歳にしては母親との関係性が幼く感じるのはお国柄の違いか、友達が少なく外の世界をまるで知らないからか、まあ微妙な年頃だよね。
母親のクソっぷりに対する始めての反抗感や不甲斐ない自分への憤り等はなかなか良かったけど、彼自身が何か変わったかというと、それは大してみられず残念。
琥珀少年のことも折角ならもっと後悔や苦悩をみせてくれれば良かったのに。
終始もやもやする流れで最終的にももやもや…ある意味それが正解なのかも知れないけどね。
この歳のこの気持ちわかる
夏休みの退屈さ、出会い、喜、悔など、この時代とこの年齢のことが良く分かる。
自分が抱いたことのある思い出が、心の奥から出てきそうな感じ。
母親も女なんだとおもわされた。恋を出しているときは、妙に色っぽかった。
少年役の子もカッコよかった。
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