「泥棒紳士に愛をこめて」さらば愛しきアウトロー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
泥棒紳士に愛をこめて
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ロバート・レッドフォード俳優引退作。
クリント・イーストウッドの「運び屋」を観たときも感じましたが、往年の映画スターが、燻し銀の輝きとキャリアを総括するような渾身の演技で魅せてくれました。これぞ“映画”と言える新たな名作だなぁ、と思いました。
独自の流儀を最後まで貫いた実在の銀行強盗、フォレスト・タッカーの生き様を通して、「人間、如何に生きるべきか?」という問い掛けが強く胸に迫って来ました。
フォレスト・タッカーに強盗に入られた銀行の職員は口を揃えてこう言いました。「すごく紳士でした」と…。銃は最初に見せるだけ。決して発砲しない。誰も傷付けない…。
自らに課した掟を守り通して、自分の好きなことに全てを捧げたフォレストの生き様は、自然と演じるロバート・レッドフォード自身の俳優人生と重なって来るようでした。
「楽に生きるのではなく楽しく生きる」―。
主人公の美学を端的に表現したセリフが胸に沁みました。
人生、好きなことばかりをやって生きていくのは困難を伴いますが、繰り返す日々の中で何かに情熱を燃やし、挑戦し続けていくことが、生きる醍醐味なのかもなぁ…。
※鑑賞記録
2020/07/12:WOWOWシネマ「W座からの招待状」(2回目)
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