「雨音で家電ツアーにでかける賢者 by宮沢賢治(違います)」蜜蜂と遠雷 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
雨音で家電ツアーにでかける賢者 by宮沢賢治(違います)
天才の書く詩や奏でる音楽は天才にしかわからないというのか!ただドビュッシーの月の光とベートーベンの月光の曲の間に入れた「It's Only a Paper Moon」に痺れてしまいましたよ。クラシックはわからないのですが、やっぱり映画音楽とかポップスを使ってくれるとありがたい。
蜜蜂はいったいどこに出てるんだ?と疑問を持ちながら観てたのですが、登場はほんの一瞬じゃないですか(あれはハエじゃないよね?)。まぁ、塵くんの父親が養蜂業やってたというのだから、蜜蜂に関してはもっと奥が深いのかもしれません。栄伝は雨音、マサルはエリート、高島は土臭さと努力家、そして塵くんはまさしく謎の少年でした。そんな個性的な4人が紡ぎ奏でる壮大な頂上決戦。しかし、そこにはギトギトしたライバル心なんてものは感じられず、互いをリスペクトし合う姿に心地よさを感じてしまいます。
お笑いの方も出演されてましたが、良かったのはブルゾンよりも片桐はいり。全くセリフもないのに、ぽつんと座っているだけで、シンメトリーな背景とマッチしていたし、ストーリー全体からも絶妙なアクセントになっていたと感じました。
久しぶりに見た気がする、森喜朗と同じ高校出身の鹿賀丈史。嫌味な指揮者でしたが、かつては合唱団にも所属していたし、ミュージカルにも出演しているので、音楽的には素養がある俳優です。いや、石川県の誇りです・・・
全体的にはダイナミクスを感じられない平坦なストーリーなのですが、松岡茉優の最後の演奏には鳥肌が立つくらい圧倒されました。ちょっとやばいくらいに陶酔しきってピアノを弾く姿は美しくエロく、おっさんの心を鷲掴みにしてしまいます!やばかった・・・
私も春と修羅の即興部分は楽しめました。素人なんでそんな課題あるのだな、と。
小説では、情景や音が文章で伝わってくると謳い文句でしたが、私は書店で立ち読みしてたら眠気が、、、。
松岡茉優パーケッジ(上巻)で買おうとしていた私が馬鹿でした。w
ワンコさんへ
普段はプロコフィエフのピアノ協奏曲なんて聞かない俺なんかは、音楽も楽しめました!逆に変化に乏しい印象を持っていた3番とか、こんなにカッコ良かったのかと再発見してしまいました。松岡茉優のビジュアルが効いている事は間違いありませんがw
こんにちは、
まあ、でも、この映画、クラシック・ファンには物足りないですよね。
僕は少しクラシック聴きますけど、筋金入りではないですけど、これ音楽としては物足りない。
原作からだと思いますが、英伝の歩みと、プロコフィエフの二番のスリリング感重ねたり、塵のバルトークとかクラシック・ファンにもアピールしようとしたとは思いますけど、何せ演奏時間短いし…。長いと普通の映画ファンは飽きるだろうし。微妙ですね(笑)。
kossyさんへ
ピアノは一台だけで、「旋律・和音・リズムの全てが表現できる。まさに世界だ」って言われる事が多く。故にフルオーケストラと「協奏」出来ます!お母さんの「あなたが世界を鳴らすのよ」の「世界」は「ピアノ」の事を指していて、「思い通りに弾きなさい」と言う意味だと思うんです。母子の連弾って、幸せ感マックスでしたね!
自分も楽しめました。
蜜蜂や塵くんのくだりといった、今回大胆に省略された部分に関しては、琥珀さんのレビューをご一読されることをお勧めします。
原作も読んでみたくなるかもしれません。