コンジアムのレビュー・感想・評価
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しっかり怖い
韓国のホラーオムニバス、ホラーストーリーズ(2012)は四つ入っていて、冒頭が「太陽と月」だった。他三つは特筆ないが「太陽と月」だけはすごいショートムービーだった。スタイリッシュで、おもしろくて、カメラも凝っていて、子役を含め演者の表情を拾い尽くしている。まるでハリウッドの名だたる映像作家みたいな手腕を、韓国映画で見たかんじがした。
その監督が本作のチョンボムシクだった。
POVスタイルが予算をかけずに映画を撮る方法だとは解る。ブレアウィッチから、とりわけアメリカではPOV画面を見ただけで辟易するような濫造の時期があった。
落ち着いたのは、アイデアが出尽くしたからだろう。また、そもそも予算をかけずに撮ることがPOVの第一義なので、いったんPOVを卒業したクリエイターは戻ってくることがない。
結局、お金がないわけではないプロダクションが、方法論としてPOVを採択するとき以外にPOVが撮られることはなくなってきたと思う。
この映画もつくりはPOVそのものだが、潤沢な予算が感じられた。
撮影機材が揃っているし、男女が揃ってきれいな顔をしている。ライブカメラが顔から数十センチで表情をとらえるので、顔の抵抗値には腐心が窺えた。POVの都合上、役者としての認知度が低いのに、いい顔を集めなければならない──からだ。
ロケーションとなる廃墟もホントっぽさがあり広い。
POVを体現するカメラは主二台で、加えて個々にライブカメラ、廃墟内に追尾機能をもつ固定が六台、ドローンが一機。撮影はときとして広角ビューにもスプリットビューにもなった。
煩雑な編集だったにちがいないし、監督にもホラー撮影の練達が見えた。
総じて、しっかりしたプロダクトなのは解った。
設定には現実味がある。
POVでは演技者が映画中映画に出演している。
あまり上手ではないPOVでは、映画に出演している──ように見えてしまう。些細なことに思えるが、映画に出演しているように見えてしまうとPOVは瓦解する。
その前提を易々クリアしている。
当初、探検者たちはみな軽いノリを見せる。常套手段だが、導入前の楽観を見せると、後の恐怖が煽られる。わたしも、ああふつうのPOVホラーですねと思って軽いノリで見ていた。
──しかしこれはホントに怖い。筋書きも緩急も巧いし、出演者の戦慄顔だけでもかなり来る。POVでこんなに怖い映画は滅多ないと思った。
まともなPOV
「箪笥」以来ヒット作に恵まれない韓国のホラー。流行り(最近は慣れてしまったが)のPOVを取り入れていたが、本作は生配信という設定を加え、昨今ブームの中心である動画サイトに投稿するというものになっている。
ほぼ無名に近い若手俳優を起用し、低予算で「箪笥」に次ぐ大ヒットとなった訳だが、それもそのはず。残虐描写に頼らず、古典的な恐怖描写だが、現代を生きる人間に共感される内容が相まって支持されたのだろう。また、ホラー映画で重要な、「間(ま)」が完璧に近い。近年のJホラーで「何か違う」と思っていたような物は本作では感じられず、上質な恐怖体験が出来る。
後半の過剰なまでの幽霊オンパレードは本当に恐怖の頂点に達していて清々しい位だ。内容はよく観るありきたりな物だったが、ヘタなアメリカやカナダのホラーを観るのならば、先に本作をチェックしてほしい。マニアも、興味本位の人も皆満足出来るだろう。オススメの作品だ。
出し惜しみ失敗か単なる低予算か。
ちゃんとホラー
いわくつきの廃墟になった精神科病院にYouTuberが生配信で潜入する話。
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最近ホラーって過剰になりすぎてネタみたいなのが多いけど、この映画は久しぶりにほんとに怖いホラーだった。
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YouTubeの配信だから視覚が限られてくるのと、通信状況が悪くて映像がぶつ切りになるような演出がなんともリアルで怖い。あと、音もトラウマになりそうな嫌な音なんだよね。
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前半はちょっと飽きちゃいそうになるけど、後半30分がめちゃくちゃ怖い。何回まだあるの?って思ったことか。
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しばらくはデカ黒目おばさんとカサカサ音に脅えてお風呂は怖いし夜は眠れない日々を送るでしょう。
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ちゃんとホラーがみたい人にはおすすめ。
しっかり怖がらせて頂きました
「アクセス数至上主義」の行く末は…
思っていたより怖かった!!
面白かった!!
ネット配信しているホラーサイト「ホラータイムズ」が、レポーターを募り、怪奇現象で有名なの「コンジアム精神科病棟」から生配信する…
正直、大したことないだろうって思ってたんだけど、思った以上に怖かったー
ホラーサイトに興味を持った若者たちが、肝試し感覚の悪ふざけで始めた「コンジアム精神科病棟」ツアー
しかし、次から次へと想定外のことが起きて…
本当は、序盤で、現場にいる彼らがちょっとおかしいな…と思った時に退散すればよかった
しかし、それができずに、さらに奥へと進んでいってしまった
それが、後々アダとなってしまう
かつて、庶民の娯楽がテレビだけだった頃、テレビ局は視聴率を稼ぐことに必死になり、かなり危ないこともやっていた
それが、現代は「アクセス数」が全てになり、人々はネットに流れる「より刺激が多い動画」に殺到する
このホラータイムズの隊長が100万ビューワーにこだわった理由がそこにある
例えば、インスタならフォロワー数100万ならインフルエンサー認識されて、様々なスポンサーがつくように
「ホラータイムズ」も、ビューワー数が増えれば、広告収入と、スポンサー料で、数千万円の収入が見込める…
そのために血眼になって「より刺激の多い動画」を撮りに行くのだ
この映画は、そんな「安易なアクセス数至上主義」に対して、警笛を鳴らしているのだ
この悪ふざけで始めたアクセス目当てのホラー動画は、どんな結果を生んだのか
この世はそんなに甘くないのだ
さらっと観ていれば、ただの低予算のホラー映画に観えるかもしれないが、その裏には、現代の社会情勢が見え隠れするところに、この映画の韓国映画らしさを感じた
様々な視点から多角的に楽しめるホラー映画だった
これが歴代2位の韓国恐怖映画?
最初から設定で自分たちの顔を下から撮るために肩から下げた小型カメラとライト、よく日本の芸人がジェットコースターに乗ったりするときにリアルに撮るためにヘルメットにつけたりするのとは違って、暗闇の中ライトアップされた顔を下から撮るので叫んだ時に大口を開けるので、もろに俳優陣の喉チンコや鼻の穴の奥の奥まで映し出されるのを見続けていると笑える。美人女優さんたちのよく掃除された鼻の穴を観る機会のないものにとっては、ある意味カルト的か?それで★2つです。韓国版POV式撮影のすごさを見たような気がする。
内容は、いつもの恐怖映画特有の"ミイラ取りがミイラになる”というもので面白みはないが、映像がそれを救っているのは言えるが、若者の一人が霊によって病院の廊下を引きずられるシーンは瓦礫の散乱していた病院が、いつの間にか誰かが掃いたようにきれいなっていたので思いっきり興ざめをさせられた。
ギャーギャーとうるさい映画であることは間違いない。ただし、批評家の支持が異様に高いが、一般視聴者の支持はそれほどでもないのは事実である。
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