「いくつにも絡み合う事情が面白い」ホテル・エルロワイヤル ななつ星さんの映画レビュー(感想・評価)
いくつにも絡み合う事情が面白い
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冒頭は男性がバッグを床下に隠し、そして殺されてしまうという謎めいたオープニングで始まった。一転し爽快に旅行者たちが、この物語の舞台となる「ホテルエルロワイヤル」に到着する。時代は70年代なのだろうか……懐かしさが感じられる映像が続く。黒電話、ダイヤル式テレビ。ネバダ州とカルフォルニア州の境界線がホテルをまたいでいることも何か意味深長なのかと思わせる。アメリカのモーテルとか派手なネオンってイメージが強く、きらびやかな印象がする。
ジェフ・ブリッジス、シンシア・エリボ、ダコタ・ジョンソンやジョン・ハムが繰り広げるクライムサスペンス映画。宿泊者たちそれぞれが抱える事情や職業などが少しづつ明かされながら、絡んでいく展開は見ごたえがあります。
ただ途中からすこしづつ物語がサスペンス調からバイオレンスに変わっていくあたりから物足りなく感じるかも。特にクリム・ヘムズワースの登場で物語の中心が入れ替わって謎解きが終わる感じ。ヒッピーという70年代を象徴するアメリカ文化なのか、凶悪犯なのか知能犯を演じたいのか、どうしてもマイティーソーのイメージが残って役柄に違和感が……難しい役どころなんだと思う。
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