「【”口(歯)の健康は全身の健康。”今作は、公益社団法人日本歯科医師会が全面協力した”8020運動推進奨励映画である。】」笑顔の向こうに NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”口(歯)の健康は全身の健康。”今作は、公益社団法人日本歯科医師会が全面協力した”8020運動推進奨励映画である。】
ー ストーリー展開は、監督さんが今作が初監督でもあるからかシンプルである。ー
■歯科技工士としての技術が高く、容姿端麗で「王子」と呼ばれている若手歯科技工士・大ダイチ(高杉真宙)。
東京の歯医者で働く彼は、幼馴染みのマナツ(安田聖愛)と病院で再会する。
だが、ダイチはマナツに対して、素っ気ない態度を取る。
ダイチは、金沢で歯科技工士の手を怪我して仕事が上手く出来なくなった父(池田鉄平)の後を継ぐと思われていたが、父とは反りが合わない彼は金沢に戻ろうとせずに、東京の歯科大学に進もうとする。
ある日、ダイチが作った入歯が合わないと、年配の老人からクレームを言われ落ち込む。
◆感想
・オリジナル脚本作品であるが、色々と突っ込みたくなる作品である。短尺であるためか、ダイチと父の反り合いが合わない理由や、ダイチがマナツに素っ気ない理由が今一つ、しっかりと描かれていないからである。
■だが、この作品は”歯を大切にする大切さ”を観客に伝えるためのモノであるので、そこを重点に観ると面白い。
例えば、歯科技工士としての技術が高く、故にプライドも高い(多分、父と反り合いが合わないのもココだろう。)ダイチが、歯が悪い老人の入歯を作る際に失敗した理由である。
彼は、老人の食べ物の嗜好などを考えずに(マア、普通そこまで対応する事もあまりないだろうが。)入歯を制作するが、マナツは彼に老人が固いステーキなどが好きであるとか。食生活の嗜好を伝えるのである。
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私は、歯科医ではないが3カ月に一回、定期的に歯医者でクリーニングを10年以上行っているが、歯科衛生士との様々な会話の中で学びがある。
例えば、私は医者に”○○さんの仕事はキツイものではないですか?”とクリーニング初期に言われた事が有る。吃驚して、”何で?”と聞くと”口腔内の筋肉が異常に発達しているからです。これはストレスの多い仕事をしている人に多いのです。通常は、そういう人は歯が悪くなるのですが○○さんは、歯が強いのですね。”と言われ、正にその通りだったのでそれ以降は定期的に歯医者に通うようになったのである。
歯を見れば、その人がどのような仕事をしているか、内臓が悪いことまで分かる事があるそうである。(口臭とか。)
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<今作は、ラストでダイチの余命が見えている祖母(松原千恵子)の希望もあり、ダイチは金沢に帰る決意をし、マナツとも別れる事になりそうになるのだが、二人はプラットフォームで抱き合うというハッピーエンドで終わる。
で、エンドロールで流れる言葉が“8020運動”という言葉である。
ご存じの通り、80歳まで20本ある歯を健康に保つ事で、健康寿命を維持しようというスローガンである。
ヤッパリ、幾つになっても自分の健康な歯で美味しいものを食べたいものである。私は虫歯が無いので、そんな経験はないが映画を観ている時に、歯が痛かったら映画どころではないよね。>