「もやもや」プロメア にょむさんの映画レビュー(感想・評価)
もやもや
全体的に好感度はあるものの個人的には琴線に触れるものがなかった
やはりキャラに感情移入できなければ物語の行く末とかどうでもよくなるし、そもそも物語としての"掴み"がないし、グレンラガンやキルラキルのような起承転結の揺さぶりも見当たらないからなるほどなるほどと物語を観ている内に終わる
市民の抱く、バーニッシュに対する偏見、畏怖、差別感がどう左右されていくのかが終盤に反映されてないから投げっぱなし感しかない
バーニッシュ達とのトラブルで世間が甚大な被害を受けてきたのは冒頭のシーンで理解できるけど、バーニッシュの主体性がマッドバーニッシュのリーダーの言動に一任されてて、途中じじぃの裏切り位しかないのはやや不自然というか…むしろバーニッシュは完全に一枚岩にしてじじぃの裏切りエピソードは割愛した方が釈然とはする
クレイが他の星へワープする事を最終的に最善策としたからこそバーニッシュ達をクルクル回して動力源にしたのは分かるし、それが同時に星の寿命を縮める事になったのも分かるし、それしか選択肢がないって結論だったのは取り敢えず受け入れるとして、でもこれってバーニッシュ達の命と母星の命を天秤にすらかけられてないから、本来なら第2の選択肢があるべきだけど、結果的に主人公達がとった策が選択肢として機能していたか?と言えば疑問だよね
クレイも悪役の立ち位置であれど色んな可能性を模索した上での決断だったんだし、無理矢理敵キャラに仕立て上げられた感じがして、結果カタルシスも得られず…
そもそもバーニッシュ達の炎は別次元の生命体なのに、そこは"生命体"としてしか個性を主張させない?のはかなりもやもやさせられる
作画・動画はフルスイングで無双してたけど、軽快なアクションシーンになると色味が軽くなるのはややアンバランスというか大味な印象になるのも否めない