「「夢があるから・・・強くなれるんだろうが!!」」キングダム 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
「夢があるから・・・強くなれるんだろうが!!」
【賛否両論チェック】
賛:予備知識は特段不要。信と嬴政の、死闘の果てに築かれていく絆や、そんな信の成長に、観ていて胸が熱くなる。壮大なスケールのアクションの数々も、観ていて圧巻の一言。主題歌もステキ。
否:敵を前にした緊迫したシーンで、長々と会話している辺りは、やや違和感が否めない。展開もかなりのご都合主義で、冷静に考えるとツッコみどころも多々あるか。
原作や歴史的な知識は、取り立てて不要です。むしろこの映画をきっかけに、中国史を改めて勉強してみたくなるかも知れません(笑)。
片や無鉄砲で向こう見ずだけれど、「天下の大将軍になる」という殺された友との夢を果たすために、己の運命を真正面から切り開いていこうとする信。そして片や志は違えど、人々の安寧のために中華統一をなさんと、リーダーとしての覚悟を新たにする嬴政。始めこそ違うものを見ていた2人が、共に死線をかいくぐっていくうちに、次第に固い絆で結ばれていく様は、観ていて非常にカッコイイです。
「剣が折れても!腕を失くしても!血を流し尽くしても耐えしのげ!!耐えしのげば俺達の勝ちだ!!!」
の演説には、心震えました。
アクションのスケールもまさに桁違い。圧倒的な兵力を擁し、君臨する敵を前に、信や嬴政達が繰り広げる死闘の数々には、思わずハラハラドキドキさせられっぱなしです。また、長澤まさみさん演じる楊端和率いる山の民や、大沢たかおさん演じる謎めいた王騎軍の存在等、ご都合主義な展開とはいえ、最後まで目が離せません。
主題歌であるONE OK ROCKの「Wasted Nights」も、壮大な世界観にピッタリです。アクション映画好きは言うに及ばず、主人公達の熱い熱い戦いを、皆さん是非お見逃しなく。