「出演俳優陣に拍手！」キングダム　おじゃるさんの映画レビュー（感想・評価）

テレビシリーズでキングダムの魅力に触れ、劇場予告で期待を高めて鑑賞してきました。テレビシリーズを全話視聴したわけではないし、原作も未読ですが、全く問題なく楽しめました。というのも、主人公・信の生い立ちから漂との関係、当時の中国の状況等をわかりやすく丁寧に描いてくれたおかげだと思います。

ストーリーもおもしろく、見ているうちにどんどん作品世界に引き込まれるようでした。これは脚本もさることながら、登場人物の魅力を最大限に引き出した、出演俳優陣の演技によるところが大きいと思います。主演の山崎賢人くんは、「原作漫画の実写化といえばこの人！」みたいなポジションにいますが、中でも本作の信は一番のハマり役だと感じました。共演の吉沢亮くんも、漂と嬴政の二役を見事に演じ分けていたと思います。脇を固める、長澤まさみさん、本郷奏多くんらも申し分なく、大沢たかおさんに至っては、風格と狡猾さと気持ち悪さが同居したような雰囲気が秀逸でした。

また、映像的にもすばらしく、もちろんCGがふんだんに使われているのだとは思いますが、そのスケールの大きさと迫力に圧倒されました。日本でもここまでの作品が作れることを素直にうれしく思います。まだまだこの先の展開が気になるところなので、続編があれば絶対また見たいです。

ただ、最後のクライマックスシーンは、迫力はあったもののやや間延びした感があり、それ故に状況的にもちょっと納得いかない部分があったのは残念でした。それでも、作品全体でみればまちがいなく楽しめる、おすすめの一本です。