「一本の映画として綺麗に纏めた脚本が見事」キングダム　しずるさんの映画レビュー（感想・評価）

原作未読。予告編のビジュアルの格好よさと、中国戦記物が好きなので興味を抱いて鑑賞。
感想としては、【普通に面白かった】かな。

中国大自然や宮廷の壮大なビジュアル、大人数で繰り広げられる戦闘シーンやアクションの迫力は期待通り。
個性が強く一人一人魅力あるキャラクター、やり過ぎな程の一騎当千感も、戦記物の醍醐味がしっかり味わえて大満足でした。
誇張されたキャラクター、【夢】という標語に若干のチープさを感じなくもありませんでしたが、リアルに片寄りすぎないバランスは、漫画実写化としてはよい匙加減だったと思います。
ストーリーに新鮮味や驚きは感じず、特別な没入感はありませんでした。

大変嬉しかったのが、1本の映画の時間制限の中で、きちんと解りやすく話を纏めてくれた点。
原作付き(特に歴史物)には、壮大なストーリーが2時間程度では描ききれず、あれもこれも詰め込みすぎで観客おいてけぼりのパターンが度々ありますが、キングダムは、時間内で描ききれるだけの内容を、最低限の登場人物で、起承転結しっかりつけて、一物語として終わらせてくれていました。
反乱から王都奪還までかなり単純だし、原作からどれ程のシェイプアップがされているのかは解りませんが、原作未読の身としては、役名や筋書きがごっちゃにもならず、解りやすくストレスなく、格好よく熱い闘いにだけワクワクと浸っていられて、とてもよかったです。
原作が読んでみたくなりました！