「ツェッペリンの飛行船」ディリリとパリの時間旅行 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ツェッペリンの飛行船
『キリクと魔女』、『アズールとアスマール』でも独特な色彩を映し出してきたミッシェル・オスロ監督。特に影絵のようなアニメーションだったのですが、今回の作品もキャラクターの平坦さでは同じ2Dのイメージで、美しい背景画で動かしている。敢えてだと思いますが、遠近感をなくし、立体感もないのが斬新。
冒頭ではパリの人間動物園。ニューカレドニアの生活が見世物にされているという、今では考えられない様子。その家族の少女に目を付けたオレルが彼女とともに連続少女誘拐事件を解決しようとするストーリーなのですが、ベルエポックを賑わせた画家や女優などの有名人を登場させているのもユニークだ。
男性支配団という闇の組織。とにかく女性蔑視が酷すぎて、アニメだから見れるが実写だったら目を覆いたくなるような光景の連続。四つ足動物の奴隷・・・さすがに黒装束を着せているので何とか耐えられます。
終盤になって徐々にアドレナリン上昇。ツェッペリンの飛行船も登場するし、動力が足りないためにディリリたちが必死でペダルを漕ぐ光景に思わず力が入ってしまう。時間旅行ってのは意味わかんないけど、このクライマックスに納得させられてしまった。
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きりんさんのコメント
2020年9月14日
日本でもやっちゃってますね、人間を展示する見世物小屋。1903年の大阪での内国勧業博覧会「人類館事件」が有名ですね。
展示するほうとされるほうと、一体どっちが蛮族なんだか(苦笑)