Girl ガールのレビュー・感想・評価
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あなたは自分を追い詰め過ぎ
履き慣れないトゥシューズの為血だらけの爪先、レオタードを着る為にテープでかぶれた下腹部、そして何より同級生からの心ない差別的扱われ方、全て痛々しい。観ていて辛くなった。自分の身体か嫌というのは世の中が性別を見た目で判断するから?そういう身体の女性や男性でいいとか、色々な人々って存在するよねーという形になればあんなに無理する事は無いのだろうか?何と生きにくい社会である事か。 ララの優しい笑顔の裏の心と身体の痛みを考えるとどうにかならないかと、バレエという身体を見せるというまた特殊な事情を鑑みても何かやりようがあるのではないかと、家族や学校、病院等での理解は深く、ララに寄り添っている素晴らしい環境のように感じたが、それでもまだ不十分なんだなあと。 大きな悩みを抱えて生きづらさを感じながら日々耐えているであろう人々を思うともっと幸せな終わり方をして欲しかった。
苦しい気持ちが伝わってきた💧
性同一性障害の男の子が、なんとバレーダンサーという設定。 レッスン中、レオタード姿で気にしている股間部分が目立つ為に 体に直接ガムテープで貼り付けているシーンがとても痛々しくて辛かった。 でも、痛々しい姿もこんなのでな終わらなくて序章に過ぎない。 最後は画面を見るのも辛かったです💧
ヨーロッパにおいてのトランスジェンダーの理解度
ララを演じた俳優はシスジェンダーらしい。ということは男性ですよね?ということはあの表情も仕草も演技?完全に女の子でした。そのことにまず驚き😳 そしてトランスジェンダーに対する理解が日本とはかなり違う。男性とわかっていながら、女性のダンサーとして入学を認める学校やまだ未成年なのに性転換手術の話を本人、親、医師で進めていく。親戚もみんなララ(本当の名はヴィクトル)を女性として認めている。 学校でもララがトランスジェンダーであることをみんなわかっているし、区別することなく接している。凄い。でもララの才能に徐々に嫉妬する者が増えてきて陰湿なイジメが起きてしまう。 ただでさえ入学が難しい名門校に体験入学でき、正式に入学が出来る様に必死で練習に励むララ。それだけでも大変なのに,毎日のテーピングやストレス。ホルモン療法とかなりのストレスだろうに。 ララの母親は一切登場しないが,父親がとても理解があってララは救われている。全てを受け入れて性転換手術にも共に向き合い、ララの為に引っ越しも転職もする。とてもいいお父さん。 いくら理解のある人達が周りにいてもやはり辛かったのだろう。ラストのララの行動が衝撃的。2年が待てなかったんだろう😰 主演の俳優さんの美しさに魅了された映画でした。
ジェンダーの問題って認知度は高まってきてるけど、当事者にしか分から...
ジェンダーの問題って認知度は高まってきてるけど、当事者にしか分からない部分が大きくて、それが結局無理解に繋がってるんだと思う。マジョリティーにとってはささやかな好奇心からの言動だったりするんだろうけど、当事者の受け取り方は計り知れない。すごく勉強になった。
優しさと痛みと・・・
名門のバレエ学校へと人より遅れて入学したララは、定期的に通院しながら二次性徴抑制の薬を飲み、完全なる女性化を果たそうとする。しかし、ホルモン剤増量は危険であることや、18歳(多分)になるまでは性別適合手術を受けられない。また、手術内容のインフォームド・コンセントを聞かされると、こっちまでが卒倒しかねない・・・ それにしても、父親、6歳の弟、周囲の親族が皆理解があり、またララを大切にしようとする優しさが感じられ、それだけで暖かくもなるのです。しかし、バレエの過酷なレッスン、特につま先への負担は想像を絶するものであり、幼い頃から練習してきた者との差も歴然。孤独で、ストイックなまでの影の猛練習を続けるララ。体が男性であることなんて忘れて夢中になって応援する自分がいました。 人の痛みを理解することがどれほど大変で、逆にどれだけ簡単なのか。人間誰しもが持つ男女の差の考えは、いつしか差がはっきりしてくるものだろうけど、不完全なまま性的不一致が表れてくる人もいるという事実。日本ではまだまだ認知度が低いし、自分でも最初に知ったのが金八先生の上戸彩のキャラだったくらいです。 女生徒たちもある意味寛容的ではあったけど、誕生会でのイジメのような出来事がララの心にしこりを残す。余計なモノを切り取ってしまいたい・・・18歳になるまでは手術を受けられないのだから。そんな終盤のシークエンスには、医療側のまだ患者の意思が確定していないだろうという認識と、どんなことがあっても父親は父親だ!という家族の優しさが詰まっていました。ドキュメンタリータッチという撮影法も彼女の精神のアンバランスさを表現するのに成功していますよね。
思春期の痛み
トランスジェンダーとして生きる選択をした主人公の、前を向くが故の痛み。 協力的で理解ある家族、大好きなバレエを続けられる環境、それでもなお。 その日その日が大事な思春期に、日常は待ってくれない。 外見に敏感になり、自分でもわからない感情が沸く、あの頃を思い出させられた。
まるでドキュメンタリーのよう
この作品、何で知ったかって…実は、Instagram の広告なんですよね。映画ネタ好きだから、よく上がってくるんですが、初めて見た時から、すごく気になってました。でも、私の地域では上映されなかったので、諦めていたんですが…。気が付くと、1ヶ所だけ、上映開始からだいぶ経ってますか、上映してたんです。慌てて観に行きました。 トランスジェンダーって、以前ほど、偏見もなくなりつつあると思うんですが、私の周りにはいない。実際、クラスにいたら、私は、どう接するんでしょう。 主人公ララを取り巻く環境、ちょっと驚きました。家族や病院はともかく、みんなが、ララを受け入れてる。思っていたよりも、世間からも受入られてる。だから、「ララが、女子更衣室を使うことに抵抗ある者は?」なんて、普通に先生も聞いちゃうのかなと思いました。日本では、そこまで受け入れられていない気がするんですが、私の周りだけでしょうか。 ララの生活、まるで、ドキュメンタリーかと思いました。男性の体を持って生まれたけど、女性になりたい…。理解はしているつもりです。でも、バレリーナになりたいから、テーピングをして隠すとか、そんなところまで映すか?って思いました。この俳優さんは、本当に、トランスジェンダーなのでは?と、何度も思いました。それくらい、リアリティーがあった気がします。 心ないクラスメイトもいましたが、家族や病院の先生は、とても親身になってくれていました。それ故に、ララの思い通りにならなかった…。だから、ラストは、あんなことになってしまったんですよね。可哀想という言葉しかないのが残念なほど、全てが痛々しかったです。
ララは強く生きてゆく
トランスジェンダーのバレリーナ、ララの物語。 どこか痛々しく激しく美しいバレエシーンも圧巻。 ララを受け入れているようで結局好奇の目で見ている周りのダンサー達。 支え続けると決めている父親。 追い詰められたララがくだす衝撃の決断。 思わず息を飲みました。 そしてラストシーン。 ひとりの美しい女性として確かにララがそこにいます。 静かな傑作です。
良い作品だけどまったりしすぎ❗
星🌟🌟🌟最初は興味深く観ていたのですが正直あんまりストーリー展開が早くなく途中眠気に襲われました❗主役の男の子は凄く美形で女の子と見た目は見間違うほどですがカメラは苛酷なまで膨らみのない胸やテープで目立たなくさせても膨らみのある股関を強調するような撮り方でちょっと痛々しかったです❗他の方も書いていましたが意外と差別を強調するようであまり良い気持ちはしない作品でした❗でも主役の男の子が良かったので星🌟🌟🌟にしました❗
絶対に観てほしい映画 (一部怖かったけれど…)
一人の思春期のトランスジェンダー(身体は男性だが心は女性の)の一年?を描いたベルギー映画。 トランスジェンダー。俺は、わかったような顔をして、実は何もわかってなかった。そう痛感されられる映画。 いや、だからこそ、俺は映画を観る、そう言う気持ちを新たにさせてくれる。 バレエのレッスンのシーンもラストに近いシーンも、いたる所に痛みが。それも、身体的な直接想像できる痛みや、心理的な痛みが、ほぼ全編を覆っていた印象。 皆さまに観てもらいたい映画だけれど、心して観てくださいね。 まず、ベルギーという国がいかにLGBT先進国かがわかり、つぎにその国の中でさえ、Tとして生きていくことがどんなに困難に満ちているかを思い知る。だからこの映画はベルギー製作でなくては意味がないのだと思う。 家族も、周囲の理解も、医療的な措置も日本とはかけ離れて進んだこの国でさえ、いかに苦しいことなのか。衝撃だ。しかし幸い俺たちは、ベルギーに追いつく程度、LGBTを理解しようという低い目標があるから、まだ救われるのではないか。(おっと、自虐的なレビューになってしまった) 映画では、主人公は自分の思いを全く発言しない。観客としては、父親が言う「話してくれれば、何かできるのに」に同感し「話してくれればもっと感情移入できるのに」と感じるだろう。 しかし観ているうちに、主人公の思いは伝わってくるはずだ。 希望はいつもたった一つしかない。「今すぐ女の子の身体になりたい」 それはもちろん無理とわかっているから、今できることは、全てやっている。男性としての二次性徴を抑える治療はしているし、ホルモン治療も始めた。18歳になったら手術も受ける。 でも、女性なのに、身体は男性なのだ。 「『身体の調子はどうだ?』と毎朝聞く父親は治療中の自分を気遣っていると知っている。ホルモン治療がなかなか効いてこないが、健康のためには量は増やせないという理屈ももちろんわかる。ホルモン治療のせいで食欲がなく体調が良くないので、いったん治療を見直してみるというのが、私の健康を考えてのことだということももちろん頭ではわかっている。でも、女性の身体になりたいんだ、だって私は女性なんだから! それよりも健康が先ということだって、もちろん頭ではわかる。でも心では、今すぐ、少しでも早く女性になりたい が何よりも先なんだー!」 口に出せば、そんな悲痛な叫びになるのだろうが、それを言ったからといって、何か起きるだろうか ? 「急いでもいいことはない」という医師や父親の声はわかる、その優しさもわかる。それに上のようなことを言って、何かいいことがあるか? 「身体の変化を急ぐよりも、今 青春を楽しみなさい」という声だってありがたい。父親の「好きな男の子はできたかい」の暖かさももちろんわかる。だけど、だけど… 家族も親戚も皆理解してくれている。やれることは全てやれている、この理想的な環境下での彼女のフラストレーションは、決してセリフにはできない。 先の「だけど、だけど…」の中の…は、映画を観て体験してください。悪い人や悪意は、全く出てこない映画です。だからこその、もどかしさを観て体験すべきだと思う。 自分はLGBTの理解には、まだまだと自覚するが、それだからこそ、この映画を観られて、本当によかった。
まるでザ・ノンフィクションを観ているかのよう
最低限のセリフ、最低限の音楽、最低限の情報で淡々と物事が進んでいく様はまるでドキュメンタリー番組のよう。 変わりたい自分、でも変わらない身体。そりゃあ焦るしもどかしいよね。しかもまだ子供な訳だし。 個人的にはララが行きずりの恋をしにいくシーンが切なかった。自分が女だということを感じたくて行ったのに、逆に自分の男性器の存在を強く認識することになってしまう。生理現象とはいえこれは辛すぎる…( ;꒳; ) 唯一のストレス発散法だったバレエもできなくなっていよいよ追い詰められた彼女がとった行動は…あきらかに間違っていたけれど、それで自分が満足して前に進めるならいいと思う。特にこの年齢の頃って、自分がやりたいようにやる!ってのが強い指標だったりするから。
切なく、強く…
なかなか家族や周りの人にも 受けいられない苦しみから 始まることが多いパターンを 観てきましたが、 家族が既にララを全て受け入れている 冒頭から、始まりました。 誰より努力しても大好きなバレエでも 自分の立ち位置が掴めない。 彼との関係を一歩踏み出そうと しても、最後に女性としての プライドを傷つけられ、 理解あるお医者さん達に囲まれて 治療を進めていても、思うように 変わらない肉体… そして受け入られているからこその、 強い孤独、葛藤、焦り。 美しいララがバレエを舞う姿で、 徐々に精神的に追い込まれる様子が 表現されて、胸を打ちます。 自分ではどうしようもない、 理不尽さに絶望感を覚え、 自分にしかわからない気持ちと 向き合い、深い孤独を 感じることは、ララに限らず生きて いる中で誰でも経験することだと 思います。 明確な答えは わかりませんでしたが、 ラストシーンで 颯爽と清々しく歩くララを見て、 自分らしく生きることの大切さを 教えてもらえた作品でした。
☆☆☆★★★ 《彼女》の事は。父親を筆頭に、医師や学校等が全て理解...
☆☆☆★★★ 《彼女》の事は。父親を筆頭に、医師や学校等が全て理解し、協力をしてくれている。 そしてバレエ仲間も認めてくれている。 だけど…。 ララ本人の不安は尽きない。 心は女性、その見た目だけなら完璧。 だが、本人だけが知る。本物の女性へとなかなか近づいては行かない自らの身体。 その思いを増幅させるのが、(バレエを始めた時期の遅さから)技術的な遅れを取り戻せない焦りと、ホルモン治療への不信感がどうしても拭えない。 やがてその思いは。自身の心の乱れや、仲間達の心ない悪戯等を経て、焦りから【怖さ】へと変化して行き。その辺りからの、微妙に壊れ始めるララを、映画は繊細なタッチで見つめ続ける。 カメラは、ララの表情を絶えずバストショットで捉え続けるのだけど。その為に、バレエ場面等は彼女の一挙手一投足をつぶさに観察していて。彼女がターンを繰り返す毎に、心の揺らぎが伝わって来る。 何処か観ていて。ガラス細工や陶器製品等を扱っている時に。いつ落としてしまって割ってしまうか分からない、あの怖さの感覚が終始続いている…と言えるだろうか。 最後がやや曖昧に終わってしまうのが、ちょっと残念な感じでしたが。これは評価が高いのも頷ける秀作でした。 内容的には全く違うのだけれど。同じフランス映画の『水の中のつぼみ』とゆう作品を、ちょっとだけ思い出した。 2019年7月10日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1
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