家族にサルーテ!イスキア島は大騒動のレビュー・感想・評価
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【”私たちの子供たちは、良い年をして迷ってばかりね・・”と、イタリアのゴッドマザーは”やれやれ・・”と言う表情を浮かべながら言った。イタリアン大家族の愛憎を、甘くもほろ苦く描いた作品。】
◆ピエトロとアルバ夫妻は、レストラン事業を成功させ、今は長男のカルロ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ:「修道士は沈黙する」「シチリアーノ裏切りの美学」の重厚な姿は、忘れ難い・・。)と長女、サラに経営を譲り、イスキア島で、悠々自適の生活。
結婚50周年を祝うために、三人の子供を含めた、親戚一同なんと19名を招き、教会で金婚式を挙げ、自宅でパーティを催し、久しぶりに会った親戚一同、穏やかに解散!すると思いきや、天候不良でフェリーが、欠航。
仕方なく、もう一晩泊まることになった面々の”隠されていた”人間関係が露わになり・・。-
と言う粗筋なのだが、19名の関係性が凄いスピードで、展開していく。
脳内で、この一族の相関図を作成つつ、鑑賞続行。
長男カルロは、二番目の妻ジネーヴラと上手くいっておらず、(原因はカルロの先妻エレットラの存在)喧嘩ばかり。
長女サラは夫ディエゴの浮気に気付いている・・。
二男パオロは自由人で、作家としての地位を築いているが、親戚のイザベッラ(夫あり・・)と良い仲。
◆あのさあ、皆さん、子供もいる良い年の大人なんだからもうちょっと、ちゃんとしたらどうなのよ・・、とクスクス笑いながら鑑賞。
そして、後半に明かされるゴッドファーザー、ピエトロも実は女好きで、アルバは長年、悩まされていたと言う事実・・。
口あんぐりである。皆さんが浮気っぽいのは、家系だったのね・・。
<イタリアン大家族の、様々な男女の縺れた恋を、甘くもほろ苦く描いた作品。
「ゴッドファーザー」が、軽く頭の隅を過りながら、
結局どこの国でも、男性は、女性には頭が上がらないんだなあ・・、という”真理”を確認したのであった・・。>
家の中でも嵐が吹き荒れる
最初から家族、親族が大集合したため、名前も血縁関係もさっぱりわからなくなってしまいました。様々な問題はほぼ男性を中心にまとめると理解できてくるのですが、まずはパオロが初恋相手でもある従妹(?)のイザベッラと不倫に突き進む様子が浮かび上がる。
そして前妻と妻とも一緒になってしまったカルロがそれぞれにできた娘への対応。やがて妻がキレてしまう様子。アルツハイマーになった夫の処遇を考える妻、借金を抱えて父の店で雇ってほしいと迫るリッカルドなど。サラが中心となって収めようとするのだが・・・主催者でもある老夫婦はたまに諫める程度。とにかくフェリーが欠航になったおかげでロマンスや不満が爆発してしまうのだ。
パオロとイザベッラのエピソードはなんだか好き。子供がいても、おっさんになっても恋はしたいものだ。やっぱり仕事での主従関係や借金の問題は親族間には持ち込みたくない。最近、親戚とは葬式でしか顔を合わせないので、もっと楽しい集まりに参加したいなぁ・・・
旅行に行きたい
イタリア映画らしい美しいフィルムで、着ている洋服もオシャレで、イタリアに旅行した気分になりました。お国柄でしょうが、中年になってもあんなに恋愛に入れ込めるのが凄いし、あんなに嫉妬心が出るのも凄い。でも、感情表現よりも内面はドライだったりして(つまり、大袈裟)イタリア人気質が良く分かる作品でした。
イタリア版渡る世間は鬼ばかり❗
星🌟🌟🌟🌟中盤まではイタリア語での早口でちょっと退屈だったのですが…中盤からイタリアらしい情熱的な展開で眠気が吹き飛びました❗上手く言えませんがイタリア版渡る世間は鬼ばかりのような感じで面白かったです❗日本ではちょっと過激過ぎて考えられませんが…意外と楽しめました❗
ドロドロ感満載
イタリアンコメディという触れ込みに、地中海の青と抜けるような青空の中で歌って踊って大はしゃぎする、笑い転げるような作品を想定していた。けど、親子関係、夫婦関係、親族関係、人間関係のどれにも明るさはなくドロドロ感満載。トータルで見る時、イタリアではコメディなんだろうけど、日本的にはちょっと・・・
人間そのものを肯定する力強い世界観
配偶者の浮気に対する登場人物たちの反応は、フランス映画とイタリア映画では随分異なるようだ。少なくともこれまでに観た映画ではそうだった。
フランス映画では夫に浮気された妻や妻に浮気された夫が激高するシーンを見たことがない。百年の恋も冷めるときは冷める。夫も妻もお互い様なのだ。価値観は相対的で、他人が自分と違う価値観を持つことを当然のこととして認めている。金持ちであることや若いことが必ずしも自慢できることではない。若い人は歳を取るし、金持ちは没落する。
イタリア映画はというと、所有欲、独占欲、名誉欲、それに性欲と食欲と虚栄心など、あらゆる欲望が満開状態で物語が進む。当然ながら自分の浮気は許せても配偶者の浮気は許せない。だから浮気の発覚は修羅場になる。
本作品はイスキア島の教会に家族が集まってくるシーンからはじまる。イタリア人は無宗教のフランス人と違って敬虔なカトリック信徒が多いのだ。カトリックは不倫も離婚も認めない。それがイタリアのパラダイムとなっている。
一方で人間も種の保存の本能の例外ではない。男はより多く種付けをしたがるし、女は生存能力の高い優秀な遺伝子を望む。カトリックの教義とは正反対である。
フランスではアルベール・カミュの「L'Etranger」(邦題「異邦人」)という小説で、家族愛の崩壊が予言されたが、イタリアはアメリカと同じく依然として家族愛の国である。
登場人物たちはカトリックの教義と家族愛のパラダイムに縛られ、その裏側では種の保存の本能にも従うというジレンマから一歩も抜け出せないまま、ドタバタ喜劇を繰り広げる。役者陣は皆大熱演で、映画の世界にスッと入り込める。
パオロとイザベラの睦事の描写が素晴らしい。時を経て再会した従兄妹同士が一日で急接近する。まるで思春期の男女のように相手を見つめ、互いの吐息を吸い込む。物語の舞台である風光明媚なイスキア島の映像はとても美しく、料理はどれもこれも美味しそうなものばかりだ。なんだかんだ言っても、イタリア人は人生を楽しむ天才なのだ。
金婚式の主役であるはずの家の主人が最後に言い放つ言葉は強烈で、全員が冷水を浴びたようになる。イタリア人は必ずしも全員が家族主義ではないということだ。登場人物の価値観と立ち位置の違いによってそれぞれの関係性に位置エネルギーが生じていて、それが物語を推し進めるダイナミズムとなっている。カトリック教徒である手前、家族愛を取り繕うがすぐに綻びが出てしまう。なかなかに一筋縄ではいかない作品で、その人間喜劇を傍から眺めている分には笑えるが、当事者には間違ってもなりたくない。
嵐のような家族たちが去ったイスキア島は漸く静かさを取り戻すが、一抹の淋しさがある。夫婦水入らずもいいが、ときどきは家族の喧騒も楽しい。集まれば泥臭いドラマになるとしてもだ。「家族はみんな絶好調」とでも訳すべき本作品のタイトルが、清濁合わせて人間そのものを肯定する力強い世界観を示している。ある意味大したものである。
好きなタイプの映画!
罵詈雑言につかみ合い、涙もあればクールな判断もありを女が主導、男がオロオロしている感じが楽しくて笑ってしまった(もっと美しい形では「浮草」の京マチ子を思い出しました)。それにしても何てお洒落な人たちなんでしょう!服、パンプス全て!
嵐の中の嵐、嵐の後の嵐の予感
なにやら、これ…って…なんか重なる!って思う人が結構いるんじゃないか。
それぞれの人物像は、発言や会話を通して、分かりやすく丁寧に撮っていて、会話や、歩いてすれ違う場面などを利用しながら、登場人物の多さが気にならないような場面のスムーズなチェンジも実現してるように思える。
それぞれの人物像は、まあ自己中心的だか、人間味たっぷりだ。
そして、良し悪しではなく、それぞれの性格や、悩みや葛藤、置かれた状況、孤独や恋心などよく表れている。
イタリア人って、きっと、こんな人達なんだろうなあ、みたいな漠然とした僕のイメージ(ステレオタイプで申し訳ない)とバッチリ合致してて、笑ってしまう。
嵐の中の家族の揉め事(嵐)から、嵐の去った後に、彼らの行く末に、更に嵐の予感を感じざるを得ず、不謹慎なのは重々理解しつつ、どうなることか興味津々だ。
まあ、男と女のいざこざは、眺めているに限る。
余裕なのは島で暮らす老夫婦だけだ。
麗しきも、醜きも
パパとママの金婚式のお祝いの為にイスキア島に集まった親戚一同に巻き起こった騒動を描いたドタバタコメディ。
冒頭、物語が始まる前から登場人物がどんどん出てきての自己紹介ラッシュで覚えきれませんて…というか訳のわからん冗談トラップまで入れられてもう覚える気失せるわ。
流石に物語が進んで行けば全員の名前までは頭に入りきらないながら関係性はみえてきて面白味もない訳ではないけどね。
イタリア映画のドタバタコメディにありがちな早口でセリフを捲したてての身勝手、罵り、ブチ切れ、言い訳、開き直りにI love you 。イタリア語だから Ti amoか。
最後も深みがあるような雰囲気を醸してはいるけれどこれといったものはなし。
面白さより面倒臭い印象ばかりが残った感じ。
コメディのはずが・・・
イスキア島に、結婚50周年の金婚式を迎えたピエトロ&アルバ夫妻を祝うため、親戚一同19人が集まって始まる物語。
解説にはイタリアコメディと記載されていたので、ドタバタコメディを期待して観に行きましたが、内容は、「不倫」「浮気」「介護」問題に対して笑いなくドロドロとしたヒューマンドラマでした。
もう少しコメディ色を強く出してくれれば楽しい作品だったと思います。残念。
イタリアの家族生活体験?
コメディというよりヒューマンドラマとして楽しめました。そんなに笑える内容ではないです。家族のいざこざは万国共通ですが、派手な喧嘩はお国柄?モリモリ食べて、大声で言い争って、イタリアの親戚付き合いは体力いりそう!イタリア人と結婚しなくて良かったー、笑。
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