「籠の中」僕たちは希望という名の列車に乗った U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
籠の中
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実際にあった話のようだ。
圧政下の東ドイツで、社会との摩擦に葛藤する若者たちが描かれる。
壁が建つ前の話で、このような状況の中力技で東西を分けたのだと推測される。
社会主義の内容を具体的には分からないのだけれど、本作の内容を自由への渇望とするのは短絡的かと考える。
彼等は若いなりに、社会や思想と葛藤し、血縁や友との別離を受け止め、痛みと共に故郷を捨てた。その後、壁が築かれ行き来がほぼ不可能になる。
望郷の想いもあるだろうし、後悔の念も抱いたとは思われる。決して希望などというあやふやなものに突き動かされた訳ではないのだ。
作品的には展開がとても滑らかで見やすい。
彼等を追っていけば、普通の若者である事も、彼等を取り囲む世界も、その世界の不自由さも良く分かる。
成長途中の若さと、ガチガチに固まった社会との対比がよく描かれていた。
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