「彼ら個人が導きだしたこれからの結果を知って」僕たちは希望という名の列車に乗った 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
彼ら個人が導きだしたこれからの結果を知って
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十分見応えのある作品だった。知らなかったこと判らなかったことも多かった。映画の題名に、興味を持ち作品を観た。しかし、この映画をもっと深く観るためには世界地図(特に、ハンガリー、ドイツ、旧ソ連)を頭に思い描いて観賞したほうが、これ以上の感動が得られたと一寸後悔した。「ハンガリー動乱」は、世界史でチラッと聞いただけ。この作品設定は、東ドイツの大学進学用の上級クラスが、ハンガリーの民衆蜂起の悲惨な結果の純真無垢な2分間の黙祷しか思えないが、社会主義下にある東ドイツとしてみれば禁じられた行為である。国境意識のない自分としては、いまいち重大なことと思えない。クラスの生徒が黙祷の理由が全員一致で収まると思ったが、エリックに突きつけられる赤色(せきしょく)戦線時の父親の最期の写真を見せられた後の、彼の動揺と予期せぬ行為は、グッと惹きつけられる。が、赤色戦線って何?と、つい思ってしまう。生徒一人々々が問われる、嘘をつきとおすか、それとも西側へ亡命するかの選択を迫られる。なぜか、青春ドラマのように見えても、事態は、これからの人生をかけるほど深刻。この映画の邦題にある「希望」という言葉は、家族を東に残した彼らにとっては正解であったか。原題でも良いと思ったが、「REVOLUTION」の使用は、和訳だと少し激しいような。今の邦題名に、自分は興味をもったので納得した。
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