「長いけどいい映画」象は静かに座っている おおつさんの映画レビュー(感想・評価)
長いけどいい映画
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登場人物はみな他人に無関心であり自分勝手であり息苦しい世界観。画面手前にいる人物にしかピントが合わず後ろにいる人物などはぼやけているのが、閉塞感をより一層深めている。
このほとんど救いようがない世界が4時間弱続き、見る方もかなり体力がいる。
それでも終盤に、 満州里に行こうとするブーに向けてジンが「絶望から逃れようとして別のところに行ってもまた絶望するだけ。」「他の地に行きたいと思っても行ってはならない。行きたいと思いつつそこで生きていけ。」と、ある意味真理を突いたことを言うが最終的に何かしらの希望を持って彼らと一緒に満州里に行く姿はじんわり感動した。
また映像面では、中国の廃れた炭鉱の街並みは寂しさを感じるとともに美しかった。(終盤のチェンが撃たれた夕暮れの高台のシーンは特に美しい。)
監督はこの映画を撮った後自殺されたようだが、もっとこの監督の作品を見てみたかった。
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