「竹内結子に小栗旬! 豪華カメオ連発も楽しい」コンフィデンスマンJP Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
竹内結子に小栗旬! 豪華カメオ連発も楽しい
あまり多くを語る必要もなく、ただ観て楽しめばいい。
人気脚本家・古沢良太(こさわ りょうた)によるオリジナル作品で、フジテレビ月9ドラマの枠すべてが映画化前提の"前フリ"だった。
長澤まさみ、東出昌大、小日向文世の3人チームによる"コンフィデンスマン"="信用詐欺師"が騙す、ターゲット・ゲスト(カモ)を入れ替えていく、一話完結形式。騙し合いのタネを読み解く楽しみ、まんまと騙されるのも一興。
一話完結なので、基本的には本作で初めて観ても大丈夫。あとから"まとめ視聴"できれば、より楽しめる。
古沢良太といえば、原作の脚色で、「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005/2007/2012)、「探偵はBARにいる」(2011/2013/2017)、「寄生獣」(2014/2015)などがあるが、やはり古沢オリジナル脚本のほうが面白い。
新垣結衣と瑛太主演の「ミックス。」(2017)や「キサラギ」(2007)、「エイプリルフールズ」(2015)などがオリジナル作品だ。けれどやっぱり堺雅人と新垣結衣のテレビドラマ「リーガル・ハイ」(2012-2014)がいちばん「コンフィデンスマンJP」にノリが似ている。
ドラマ版も、有名な映画作品へのオマージュを感じさせるものがあった。ホントは、アカデミー作品賞の名画「スティング」(1973)のような詐欺師ドラマに憧れているのかもしれない。
けれど、古沢独特のコメディタッチがシリアスな場面を邪魔してしまう。クライマックスで互いに拳銃を構えるシーンなどは、"どうせ誰も死なないでしょ"と思ってしまって、深刻さが出てこない。
一方で映画化のポイントは、香港を舞台にロケを展開していることと、映画ならではの豪華ゲストだ。もともとテレビドラマ版も一話ずつゲスト俳優にこだわりがあった。そのゲストや古沢作品の出演者たちが少しずつ登場する。
第1話「ゴッドファーザー編」のターゲットだったヤクザ赤星栄介役の江口洋介から始まり、第2話の吉瀬美智子、第3話の石黒賢が出演。
さらに第7話の子猫ちゃん役の前田敦子、キンタ(岡田義徳)とギンコ(桜井ユキ)の詐欺師コンビ、第9話の小池徹平は、赤星(江口洋介)がバスケットボールチームのスポンサーになっている。最終回(第10話)の佐藤隆太は、劇中でテレビ出演。
そしてなんといっても、香港マフィアの女帝ラン・リウ役で竹内結子が、長澤まさみと絡むところが見どころ。共演の三浦春馬は、ダー子(長澤)との過去を持つ重要な役となる。
カメオ的に、小栗旬が出てきたのは驚き。ニセモノのパープルダイヤを作っていた。おそらく古沢脚本の「キサラギ」出演者というつながりか。
またエンドロール後にも映像がある。生瀬勝久が出てくる。生瀬は「リーガル・ハイ」の出演者。細かく古沢良太の人脈が隅々まで使われている。
(2019/5/18/ユナイテッドシネマ豊洲/ビスタ)