「Fake for All,All for Fake」プロジェクト・グーテンベルク 贋札王 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
Fake for All,All for Fake
たまたまやってるとこ見つけて鑑賞
情勢から集客減少で苦しいと聞く香港映画
チョウ・ユンファ復帰作なんですね
題名は著作権の切れた書籍文献のネットアーカイブ化
事業の名前みたいですね
その感想としては
ラスト15分のどんでん返しを謳っている作品ですが
ほぼあの名作そのまんまでしたね
でも独特の香港ノワール的アクションも
しっかりしていて見ごたえはありました
偽札使用及び偽造グループの仲間割れ殺人の容疑者として
タイから護送された元贋作画家のレイ(アーロン・クォック)
が司法取引的にする回想録を映像で起こすように始まるストーリー
・・ん?
同じ芸術家として評価を高める恋人ユンに対し
逆に全く評価されないレイはユンと別れ
贋作作家としての腕を磨いていく中で謎の男「画家」(チョウ・ユンファ)
に会い偽札造りの協力を要請されます
透かしや印刷など徹底するため原版の作成
特殊な印刷機やインクの入手までを事細かに描写し
謎の男が目的のために殺しも平気でやる冷酷さも知ります
レイは複雑な気持ちになりますが「画家」はこの仕事を
やり遂げてユンに胸を張って会いに行けと焚きつけます
・・これは皆「回想録」です
そしてついに偽札は完成し顧客に売りさばきますが
最後に訪れたのは「将軍」なる男のいるジャングル?の
基地みたいなとこでその将軍が「画家」の父を謀殺した真相を
明かしド派手な銃撃戦になり「画家」も銃弾を全身に受けながら
も将軍に復讐を果たします
レイはその中でやけどを負った将軍の秘書みたいな女性を助けます
女性は全身に火傷をしていましたがレイの介抱で顔も治り
「画家」は元恋人ユン・マンと入ったパスポートを渡し
病院を立ち去ります
・・んん??
くれぐれもこれは「回想録」です
その後本物のユンは金持ちそうな男と婚約を発表
一方偽札組織は仲間のヘマから「画家」はその仲間を粛清
簡単に人を殺す「画家」にレイは嫌気がさし抜けることを決意しますが
最後の仕事として囮を見抜いた捜査官を誘い込んで消す仕事を最後にします
そこで捜査官を消しますが「画家」は同時にユンとその婚約者を
隣室に拉致しており婚約者を消してユンをお前のものにしろと迫ります
・・んんん???
なんで「画家」はここまでレイに肩入れするのでしょう?
そして結局何もしないレイに先立って「画家」が婚約者を
射殺してしまいます
激高したレイは「画家」に発砲
偽ユンもレイを救うために仲間を射殺
捜査官・仲間・画家・婚約者の死体が転がる
現場からレイと偽ユンは立ち去ります
その後逃げおおせた二人は隠れ家で現場から
「画家の死体だけが見つからなかった」報道を見て
必ず自分たちを消しに来ると覚悟しレイは自分から捕まり
警察に保護を求めますが護送されるレイをあざ笑う
「画家」の姿がそこにありました
ここで回想録は終わり
「画家」のモンタージュを作成
レイは司法取引に従い保釈されます
すると捜査官が婚約者だったホーは喫煙所で
警官の姿をしたさっき聞いた「画家」を見つけ
レイを消しに来たものと応援を要請し
その男を大人数で取り押さえます
・・するとその男は「ン・フクサン」と名乗り
正しいIDとレイを空港から護送してきたクルマの
運転をしていたと叫びます
・・ハイもうわかりましたね
これケビン・スペイシー主演のアカデミー脚本賞獲った
傑作「ユージュアル・サスぺクツ(1995)」です
もう25年前の作品になるんですね
あの映画は取調室の壁に貼ってある名前を使ってましたっけ
結局レイが自分で仕組んだ計画であり
人を殺すのをためらうどころか
本物ユンの婚約者まで消してしまう超冷酷男だったと
自分をも贋作に仕立て上げてしまったわけですね
将軍のアジトで助けた女性も顔の手術でユンそっくりに
治された贋作にされてしまいました
ラストはその他人をも偽ユンにしたツケを払わされますが・・
ユージュアルサスぺクツを知らない客にはそれなりに
驚かせる結末ではないかと思いますし
チョウ・ユンファがバリバリ撃たれながら平気なのも
男たちの挽歌シリーズを連想すれば分かる話だったり
ミスリードを誘う演出はやるにはやってるんで
ただのパクりにはなっていないとは思います
ただこういう回想をリアルに見せて騙す手法ってやっぱ
ずるいなと思いましたw
まあでも映画ならこれくらいやっちゃっても
なんだかんだいいのかなと思います
完成度も決して悪く無かったです
でもなんかこういう系の映画は引っかかりますw
全てがウソな映画としては徹底しているのでした