虐待の証明のレビュー・感想・評価
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髪の毛の艶、爪の傷
淡々とした空気は保ちつつ、心沈む虐待描写と胸揺さぶる人間模様に強く打たれた。
過剰にドラマチックにならないことで、強烈な出来事と心情がとても際立っていた。
虐待されて育った子供の人生、その行く先とは。
自分の子供に同じことをしてしまう者、被害に遭っている子供を見捨てられない者。
虐待をして育てた大人の人生、その辿り着く先とは。
自分のしている事に気付いて離れる者、事の悲惨さから目を背ける者、開き直る者。
虐待に関わる様々な立ち位置の人間を目の前に置かれ、問題を真正面から突きつけられる。
事件になり表面化されるケースなんてほんの一握りで、見えないところに暴力の連鎖が蔓延っていることを実感させられた。
絶対に許されないことだけど、ただ切り捨てるだけじゃ何も変わらない。
重いテーマを繊細に描いた作品だけど、しっかりサスペンスとしてストーリーを運び、緩急のついたスリリングな映画に仕上げたつくりが見事だった。
身内に刑事がいると何かと便利。
ハラハラするシーンも多く、どうなってしまうことかと読めない展開が面白かった。
しかめっ面に笑顔が浮かんだとき、どうしようもなく泣いてしまう。
髪の毛の艶感から伝わる健康状態。
人の心の悪い部分が剥き出しになっていたけれど、その反面、良い部分を信じたくなる。
何をしていても暗い表情のミス・ペクことサンア。
子供を相手にもう少し愛想良くできないものかと少し思ったけど、その奥にある情にジウンは気付いていたのかな。
微かでぼんやりした形で酷く揺れ動く、それでもたしかに存在しているあたたかいもの。
オールナイト上映の二本目という、寝落ち危険時間帯だったけれど、全く眠くならない映画だった。好き。
"Your face disgusts me!" あなたは実の親から言われたことはありますか?
映画のオープニング・クレジットが終わるや否や、いつもの映画を見る前から、失望させられることを予見するテロップがながれる。
"Based on a true story but details are modified." あと1時間40分近く残っている映画をどのように過ごして見ようかと諦めかけていたが.....しかし
I wasn't cursing at you. I was cursing myself.
Miss baek, do you hate yourself?
映画の始まりは、刑事のチャン・サップが、男女の区別のできなくなった腐乱死体が発見された現場に着くところから始まる。その死体本人には、かつて1人娘がいた。その娘というのは、何年か前に彼自身がかかわった事件に関係した女性、ペク・サンア、普段はその名前ではなく、彼女自らも呼ぶ通称:ミス・ぺク。
ベクに対して、「お前は、お袋さんの保護責任者だろ。」と言っても
Guardian......
I.......Just wanted to see how she died
that's why I'm here
do as you please
なんて素っ気なく、死体安置所を後にする。彼女の心はそれほどまで、人に対して”閉じて”いる。
ある日、夜の寒空の中、薄着でしかも靴下も履かずにサンダル履きの10歳ぐらいの女の子が、何するでもなく、ただ、ただ震えている.........何故か?
ミス・ぺクと差別され揶揄された女性が、この無垢な少女ジウンとの出会いが、彼女の中で何か変わろうとしていた。
先日起きた日本における実際の事件でも同じようなことが
She beats you?
Tell me. She did this things to you?! ......... ”No” 小さな声で答える。
この映画で人の心の闇がわかる言葉 実の父親がサップに投げつけるように言う。
You know.......
After growing up around this shit,
her life's gonna turn out great?
継母が来た時に、そっとジウンがベクの中指と薬指を握るシーン。その後ラストには....
Mom.....
Can a person like me.....
Is it okay for me.......
to be a mom?
映画の主題である幼児虐待。ジウンの両親のように愛情をはき違え、自分の愛するものにしか愛情を向けないだけで、意にそぐわないものに対しては極端に非常なことをしても何も感じないでいる人達。よく言われる人間の皮をかぶった獣。初めて見た。しかも自分の身の安全と欲の事しか考えていない。人間の素晴らしい要素を捨ててしまっている反面教師に対して、自分の人生を捨ててしまっていたペクが、彼女の内面の独自性の発見と確立を静かな音楽とともに彼女だけでなく、観ている側の人にもそれを見つめさせている。一般の偽善的正義よりも無垢な命を救うほうが大事である大前提を教えてくれている。
この映画の主人公ぺクを演じていたハン・ジミンさん。最初から最後まで誰だか気が付かない馬鹿な人間でした。すみません。ハン・ジミンさん。謝るぐらいなら、書くなってか?それとこの映画の内容より恐ろしい才能があり演技があり、しかも彼女がいなければ、この映画が、成立がしなかったかもしれないぐらいすごい人。ジウン役のキム・シアさん。"子役には勝てない"なんて甘っちょろい言葉を一蹴するぐらいの演技をされています。そして継母のミギョン役のクォンソヒョンさんにもこの役を引き受けた勇気に拍手を送りたい。
amazon.comではprimeでレンタル配信され、レビューが少ないため参考にはなりませんが☆5が90%となっています。ちなみに、こんな意見も....映画、テレビなどのエンターテインメント業界の情報を扱う週刊誌としての面だけでなく、多くの媒体でその情報を提供をしているメディアHollywood Reporter・2018年10月24日付け記事から「骨太のドラマとしてすさまじい演技に裏付けされている。」また付け足すように「 カン・グヒョンの肝の座ったカメラワークで撮影されたこれらの演技は、リーの飾り気がなく、緊張感のある台本をさらに盛り上げている。ミス・ベクは、新人女性映画製作者が主流に対して起こす希望を持ち、その主人公が彼女の問題のある生活に精神浄化作用で精神の欠落部分を見つけることと同じくらいの希望を与えている。」
Let's go...... Together. 手を重ねあう2人.....
Finally パチパチ
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