テルアビブ・オン・ファイアのレビュー・感想・評価
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おもわぬ傑作
インディ映画をこまめに観ていると、思わぬ拾い物がある。これはそんな一本。いや、傑作の部類に入れてもよい作品だ。おそらくシネマライズが残っていれば8週間くらいは興行をうてるクオリティだ。ダメ青年が叔父さんのコネで、ソープドラマのシナリオ手伝いを始める。そのテレビドラマはイスラエルとパレスチナにまたがる世紀の恋愛(スパイ)ドラマというシュールな設定。ともあれ、ヒューマントラスト渋谷やシネマカリテが公開劇場ということで、作品のビジネス的なレベル感はお判りだろう。今年もそんな単館アート系レベルの作品も多数観てきたが、やはり作品の質もそんなレベルでがっかりするケースが多かった。しかし、本作は「観て損はしない。いや逆に今年必見の単館系作品の一本」と自信を持って断言できる。面白いよ!
強い意志を感じる見事な知的コメディー
31st TIFF コンペティション
イスラエルとパレスチナの問題を強く感じさせつつも、非常に笑ってしまうという、何とも機知に富んだ素晴らしい作品。
当事者でなければ知り得ない細かな事柄も描かれているけれども、多少の知識があれば十分楽しめるし、むしろ楽しみながら勉強にもなる。もちろん知識と比例して面白みが広がることは間違いない。
社会風刺であり、メッセージであり、娯楽という見事な映画。複雑で終わることのない現在進行形の国際問題が、どんなドキュメンタリーやニュースよりも、強く心に響いてくるような気がした。
最後の最後まで大笑いしたけれど、エンドクレジット時には不思議と涙ぐんでしまった。別に普通に文字の羅列だったけど…あの楽しくも哀しみの戦慄を帯びた音楽が涙を誘ったような気がする。まさにこの映画を象徴しているような曲だった。
音楽も映画を分かりやすくしていたし、非常に話を盛り上げていたし、とにかく凄いの一言、凄いというか本当に面白い!
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