テルアビブ・オン・ファイアのレビュー・感想・評価
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パレスチナとイスラエルのドラマだってさ。
これはなかなか独特な映画。 好き嫌いがはっきりと分かれそう…。 確かに、対立も戦争もない娯楽映画だけど、笑えるかと言ったら笑えない…。 これは、パレスチナとイスラエルの情勢をきちんと知ってから観ると面白かったかもしれない。 でも、周りの人はガハガハ笑っていたから、そう思うのは私だけなのかもしれないけど…。 映画の後にトークイベントがあったので、宗教上の問題や国と国との対立について色々と話が聞けて良かった。 これが無かったら、半分くらいしか理解できてなかったかも…。 ユダヤ人系のパレスチナの人々は、イスラエルの人と交流する機会もなく、結婚するなんて話になったら、ニュースになってしまうほどの出来事みたい。 なるほど、そのくらい微妙な関係にある国同士だったのか! この解説で、イマイチ理解できなかった検問でのやり取りが分かって良かったです! 日本には陸と陸の間に国境がないから、なかなか検問という制度を理解するのが難しいけれど、映画の中に出てくる検問でのやり取りは、結構重要な部分であったのは事実。 娯楽系のドラマもなかなか自由が効かない中、検問所のイスラエル軍のアッシが、ドラマの脚本をやいのやいの口出しするのが鬱陶しかったけれど…。 彼の口出しで脚本が一体どんな結末を迎えるのか最後まで分からないのが面白い。 最終的に若者の描いた結末は、国と国との境界を超えた、見事人々に笑いを届ける結末となっていました。 映画の中に出てくる「フムス」という食べ物がとても気になりました。 これは、ひよこ豆を茹でてペースト状にした食べ物だそうで、日本で言えばラーメンと同じ類のものみたいで、作り方やトッピングにこだわりを持つイスラエル人が多いのだとか。 パレスチナの人々は、これがなかなか食べられないので、検問を通ることがあったら、必ず食べるという、人々にとってかなり根強い人気のある料理だそうです (//∇//) 東京にもいくつかお店があるみたいなので、機会があれば行ってみたいです(^^)
おもわぬ傑作
インディ映画をこまめに観ていると、思わぬ拾い物がある。これはそんな一本。いや、傑作の部類に入れてもよい作品だ。おそらくシネマライズが残っていれば8週間くらいは興行をうてるクオリティだ。ダメ青年が叔父さんのコネで、ソープドラマのシナリオ手伝いを始める。そのテレビドラマはイスラエルとパレスチナにまたがる世紀の恋愛(スパイ)ドラマというシュールな設定。ともあれ、ヒューマントラスト渋谷やシネマカリテが公開劇場ということで、作品のビジネス的なレベル感はお判りだろう。今年もそんな単館アート系レベルの作品も多数観てきたが、やはり作品の質もそんなレベルでがっかりするケースが多かった。しかし、本作は「観て損はしない。いや逆に今年必見の単館系作品の一本」と自信を持って断言できる。面白いよ!
強い意志を感じる見事な知的コメディー
31st TIFF コンペティション イスラエルとパレスチナの問題を強く感じさせつつも、非常に笑ってしまうという、何とも機知に富んだ素晴らしい作品。 当事者でなければ知り得ない細かな事柄も描かれているけれども、多少の知識があれば十分楽しめるし、むしろ楽しみながら勉強にもなる。もちろん知識と比例して面白みが広がることは間違いない。 社会風刺であり、メッセージであり、娯楽という見事な映画。複雑で終わることのない現在進行形の国際問題が、どんなドキュメンタリーやニュースよりも、強く心に響いてくるような気がした。 最後の最後まで大笑いしたけれど、エンドクレジット時には不思議と涙ぐんでしまった。別に普通に文字の羅列だったけど…あの楽しくも哀しみの戦慄を帯びた音楽が涙を誘ったような気がする。まさにこの映画を象徴しているような曲だった。 音楽も映画を分かりやすくしていたし、非常に話を盛り上げていたし、とにかく凄いの一言、凄いというか本当に面白い!
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