ヒストリー・レッスンのレビュー・感想・評価
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一言で語り尽くせない関係性
31st TIFF コンペティション
愛のかたちというものが、どんどん複雑で多様化しているということを思い知らされ作品だった。それを肯定的に捉えていいのかどうかは、なかなか微妙だと思ったし、難しさを感じずにはいられなかった。
異なった世代が徐々に引かれあっていく物語は特に珍しくはないとは思ったけれど、そのことで発生する様々な事柄が割と斬新に見えた。
何よりもベロニカの演技が素晴らしい。彼女の多様な演技があってこその作品なのだろう。淡々としている他の役者の演技との対比が絶妙だった。
現代にあるHistoriaというスペイン語には、歴史と物語という2つの意味が含まれているそうだ。このダブルミーニングをふまえて観賞すべき。
自らの殻を破って楽しく生きていくことは本人にとっては理想かもしれないけれど、端から見ると決して肯定できないところもあるのだと思い知らされた。
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