劇場公開日 2019年6月22日

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「静かに優しく、力強い!」アマンダと僕 shokotenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0静かに優しく、力強い!

2019年9月22日
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鑑賞方法:映画館

ある日突然、理不尽な事件で
大切な人を失う。
その事によって、家族や
周りの人が思いも寄らぬ
生き方のチョイスを迫られる。

悲しみに打ちのめされ、
母を失ったアマンダは泣き叫び、
姉を失った弟は、自堕落な生活に…
と、なるのがよくあるパターン。
しかし、そこが違うのが
この作品の素晴らしさ。
アマンダはきちんと食べて、
寝て、友達とも遊ぶ。
遊びに行きたいと叔父にも告げ、
学校にも毎日きちんと通う。
弟も仕事をし、アマンダの世話をし、
毎日をこなして行く。
けれど、
決して悲しみが消えたわけではない。
今日は叔父さんと帰りたいと
静かに涙ながらに訴えるアマンダや
仕事で客を迎えに行った弟が
堰を切ったように嗚咽を漏らすシーン。
泣き叫ぶより、暴れるより、
堪え難い悲しみが辛さが不安が伝わり
涙があふれました。
悲しみって、こういうことなのでは
ないかと…

お姉さんが用意していてくれた
テニス観戦のチケットにより、
姉弟と疎遠になっていた母との
再会があり、アマンダにとっては
会うことがなかったであろう
おばあちゃんとの出会いともなり、
何かしら運命すらも感じられました。
あたたかい置き土産を
お姉さんは残してくれて、
決して悲しみだけを置いていった
わけではなかったのだから。

きっと誰にでもある
日々の生活の中にある悲喜交々を
感じられ、考えさせられ、
あるいは、そうよね 自分だけじゃ
ないわね、きっと、と
力強いメッセージまで感じ
させてくれる、静かに優しい
力強い作品でした。

しかし、アマンダちゃん
素晴らしかったですー👏

shokoten