劇場公開日 2019年6月8日

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「心は売りません……って、、、」月極オトコトモダチ お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0心は売りません……って、、、

2020年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ネット記事を書くお仕事をしている那沙(徳永えり)が、「レンタル友達業」の草太(橋本淳)と契約し、レンタル友達とのやりとりを記事にしたら評判が良く、編集長からは続編をせがまれます。

お金を受け取る相手とは男女関係にならない……という草太ですが、これって男女を入れ替えれば売春婦と相似形です。
もちろんソープ嬢でも恋をすることはあるかも知れず、「僕は男女関係にならないスイッチを持ってるから」と言う草太だって、誰か他の人を愛することはありえます。

ただ、私がお金を払ってレンタルした男なのに、こともあろうに一銭も払っていないルームメイトと草太がいい感じになって行くのを見て、悔しさと嫉妬が入り乱れ、「自分のものだと思い込んでいた物を取られて、にわかに愛着を感じる心理」といいますか、混乱する感情の揺れ動きをうまく演じていて、芸歴の長い女優さんならではの演技に感心しました。

日本のお仕事の7割はサービス業なのだそうですが、サービス業って多かれ少なかれ人間関係を商品化してお金で決済することだとみんな思い込んでいます。

だけど人間は草木や石ころではなく、一人一人がそれぞれに心を持っているのだという当たり前のことを思い起こされる作品でした。

新人の初監督の作品ですが、きわめて丁寧に練り込まれたシナリオの、良い作品だと思いました。

お水汲み当番