「"ショウタ"の"S"で、主演を"喰っている"から、"喰種(グール)"だったり・・・」東京喰種 トーキョーグール【S】 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
"ショウタ"の"S"で、主演を"喰っている"から、"喰種(グール)"だったり・・・
石田スイのコミック(週刊ヤングジャンプ)を原作とする、同名実写シリーズ第2弾。映像の凝り方は半端ないのに、ドラマ展開が消化不足、というのは相変わらず。薄っぺらで内容がない。
人間の姿をして生活をしながら、人肉を喰らうことで生きる"喰種(グール)"と、普通の人間の攻防を描いた作品。
瀕死の身体に、喰種の内臓を移植されたことによって、"半喰種"になってしまった大学生のカネキ(窪田正孝)が、人間と喰種の狭間で葛藤する。
"人間と半人間"あるいは"亜種"、"超人(X-men)"との対立構図や差別といったテーマの類似作品はひじょうに多く、新味に欠けるというのも否めない。
原作をよく知っている人は別として、このシリーズは何話完結なのか、映画としてのグランドデザインが見えない。エピソードが細切れすぎるからなのか、観客が前後関係を"何となく察してあげなければならない"のがツライ。説明が足りない。
おそらくタイトルの【S】は、"Second"(第2作目)だ。じゃあ次はどうなる? いつ終わる?
第2作の見どころは、主人公のカネキと対峙する月山習を演じる松田翔太の迫真の演技に尽きる。初登場のキャラクターながら、主役の存在感を超えている。
月山は、"美食家(グルメ)"と呼ばれる喰種。半分、人間である"半喰種"のカネキの特殊なにおいに目をつける。その後、カネキを、"グールレストラン"へと招き入れ、喰い殺そうとたくらむエピソード。
一方で主演の窪田正孝の存在感が弱すぎる。主演としてどうなのかとは監督やプロデューサーは考えなかったのか。これでは完全に月山習がメインで、本作の【S】は、"ショウタ"の"S"ではないかと思えるほど。
実は主演を"喰っている"から、"喰種(グール)"だったりして(笑)。
松竹はMCUやDCエクステンデッド・ユニバースのつもりかもしれないが、1作品ごとの独立性やメリハリはなく、監督を第1作の萩原健太郎から、川崎拓也と平牧和彦の2人に変えた意味も見えない。
エンディングシーンで、マスクを被っていた人物が、実は新田真剣佑であることがわかる。華のあるゲストキャスティングで、第3作目のチラ出しなのだろう。きっと迷走はまた拡大していく。
(2019/7/20/TOHOシネマズ錦糸町オリナス/シネスコ)
主演をくってはいないですよ
月山演じる松田さんが目立ったのは
金木演じる窪田さんが
見事なやられっぷりを表現していて
月山という喰種の圧倒的強さを
魅せる為なので。
主演でも相手を引き立てて
作品を活かした結果だと思います。