劇場公開日 2020年2月7日

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「オタクにこの映画は難しい」ヲタクに恋は難しい さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5オタクにこの映画は難しい

2020年12月30日
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「新解釈・三國志」に続いての福田雄一作品ですが、今作をもって福田雄一の映画から手を切ろうかと思います。

...正直、観ててここまで恥ずかしくなるミュージカル映画は今まで観たことが無いです。
この映画に比べたら、酷評した「キャッツ」の方がまだ増しです。
またはジャニーズの「少年たち」の方が増しです。

恐らく今まで観た歴代のミュージカル映画の中でワースト1位かもしれません。

理由を順に話していくと、

まず冒頭の歌についてです。
高畑充希が自分の勤めてる社内で幼馴染の山崎賢人と再会するところからいきなり付き合う事になり、そこから何故かいきなり東京ビッグサイトの前に飛んで急にアニメやゲームのコスプレイヤーと共に二人が踊り出します。
正直ここで観るのを止めようかと思いました。

だってさっきまで部屋にいたのに、いきなり東京ビッグサイトの前でMVっぽい演出で下手な踊りを見せ付けられるんですよ!?
正直地獄でした。観ていて悲鳴を上げそうになるくらいこちらが恥ずかしくなりました。

その他にも渋谷109の前で踊るダンスシーンも曲と踊りが合ってないし観てて本当に痛々しいし、ミュージカルの場面は飛ばしたくなりました。

インド映画がMVぽい演出でも何故あんなにも盛り上がるか、それはダンサーも俳優陣もみんな本気で踊っててみんな楽しそうにやっているからこちらも楽しい気分にさせてくれます。
ただ、この映画に関しては楽しさも本気度がダンサーや俳優陣に微塵も感じられないです。

はっきり言ってミュージカルを本気で作ろうとしてる気が感じられないです。

また、この映画はオタクをバカにしてると評判ではあったのですが、その理由が解りました。
福田雄一によるオタク観が山崎貴の「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」のオタク観に共通する古臭さがありました。
その最たる例が内田真礼のliveシーンでみんなが激しいオタ芸の踊りをやってるのですが、それを観ても「オタク描写」の浅はかさが感じられます。
(てか内田真礼のliveであんな感じにならないし、普通にアイドルのliveっぽく歓声が湧きます)

だいたい山崎賢人が重度のゲームオタクという設定なのに何でやってるゲームがマリオカートやモンハンという有名タイトルばかりなんですかね?
これらのタイトルであれば、ゲーム機持ってる人達だったらあれくらいやってても全然おかしくないし、ゲームオタなら今だったらFGOのようなアプリゲーム等をやってる気がします。

キャスト陣の演技も結構下手でした。
高畑充希は変にオタクっぽく見せてるからか演技がわざとらしいし、山崎賢人はとりあえず斉木っぽい無表情でやっていて、観ててつまんなそうに感じました。

とにかく、オタクを描いた映画としてはオタク観が古臭くて浅はかだし、ミュージカル映画としても酷い映画でした。

良かったところですか?
斎藤工の酔ってる場面が面白いのと、内田真礼の歌ってる所を観れたくらいですかね。

さうすぽー。