「ゆめみる少女は青春ブタ野郎の夢を見る」青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない にょむさんの映画レビュー(感想・評価)
ゆめみる少女は青春ブタ野郎の夢を見る
初見
主人公の男子の心臓が移植されてヒロインが助かる事を未来から来たヒロイン自身から直接聞かされるくだりまでは最高だった
これは悲劇だけど胸熱展開だな!と衝撃を受けました
物語のテンポも語り口も冗長でそこが初見としては特徴的に感じたし、詩的とさえ思った
ほんと淡々と進行していくのね
未来からきたヒロインも間女ポジションなのに想定されるほど修羅場にはならないし、主人公は皆から愛されてますねえ
しかしなんか覇気がないよね^^;
量子力学はまったくわからないので、それは受け入れるとしてもアントマンとかではスーツや機器を使って物々しくタイムトリップしてたのに、この物語ではまさかの手ぶらタイムトリップ?
僕の中で不安要素になってるのは、交通事故で死ぬ→ドナー登録していたから臓器が移植される、のはわかるとして、それが都合よくヒロインに移植される、という流れで観てる気持ちが失速した
そんな偶然ないよ
心臓移植待機患者って何百人もいるのに
しかも未来から来たヒロインからその事実を知ったら現恋人の現役アイドルはそれを阻止するに決まってるじゃないですか
それは分かるんだけど、主人公を突き飛ばして自分が身代わりになって死ぬ(ってのも唐突なんだけど)→その心臓がヒロインに移植される
な、なんで…?
主人公をタイムトリップさせて自分で過去の自分を救うというのが最終的な(事態としての)解決だったんだけど、主人公が死ぬ未来があった(確定)なら助けにきた恋人も未来から来ていたというややこしい展開の方が引き込まれたかな
心臓病とか交通事故だとかを材料にして人が死んだらそりゃ悲しいに決まってます
少年ジャンプのキャラが戦って死ぬのとはまたちょっと違うと思うんですけど、倫理観的にうまくやるならもっとSF色の方も補強してほしいですね
(その点「君の名は」は力技でヒロインを生還させましたね、作品の是非はともかく)
結局、ヒロインの主体性がわからない
原作小説では明確にされてるのかもだけど(あらすじだけ把握しました。面白そう!)、映画においては主人公を助けたいの?揺さぶりたいの?
そして中学生ヒロインが思春期症候群を自覚していたところなどみると、(ある程度以上に)生に対する未練からの悪意にも向き合わないと何もかも嘘っぽく感じてしまう
最後、みんな生きてて良かったね( ^ω^ )って言いたいけど、主人公は結局、初恋相手のヒロインの存在を消化しきれてなくてそこはもやもやする
一度は2人の命を天秤にかけて現恋人と居たいと強く思ったはずなのに
タイムライン改変されても記憶だけは残ってて…と言うか蘇って…ていうのはなんていうか君の名は
思春期症候群っていうのは興味深い発想だなとは思いました( ^ω^ )
また映画化したら観に行きます