「極上のクリスマス・ファンタジー」クリスマス・カンパニー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
極上のクリスマス・ファンタジー
子供のころは漫画家を夢見ていたというアラン・シャバさんが監督・脚本、自らサンタクロースまで演じる力の入ったファンタジーコメディです。映画は子ども向けに見えますが夫婦の寝室も描かれますので対象はサンタさんの夢物語から覚めてしまった大人たちか若者世代向けでしょう。
(ここからネタバレ)
サンタさんは実はETらしいのですが住まいは伝説の北欧のような雰囲気です、素敵なイルミネーションの施されたスノーボードやコスチュームで雪山を滑走するシーンに目を奪われたかと思ったら小人たちが働くおもちゃ工場のこれまた凄いこと、まさにお伽の国に迷い込んだようです。
もしパリに本物のサンタさんが病気の仲間の特効薬を探してトナカイのそりのようなステルス宇宙船?で現れたらという突飛を超してシュールな設定です(お月様バックのそりのショットはまさにETを思わせます)。勝手のわからぬサンタさんに大人たちは不審者扱いです。ひょんなことからサンタさんの手助けをすることになったトーマス一家、子供たちが本物のサンタなのに緑の服はおかしい、赤でしょ!というと、それは某炭酸飲料メーカーのせいだよとお父さん、サンタさんは膨れ顔。イブに寝ている子供たちしか知らなかったサンタさん、起きている子供たちにはほとほと手を焼きます。なんとか特効薬も手に入れたかと思いきや残念な大人が邪魔に入りせっかくのほっこりムードを壊します、その辺はへそ曲がりのフランス人らしさなのかもしれませんが困ったものです。なげやりになるサンタさんなんて実にシュールです、最後は少し成長した子供たちのおかげで窮地から救われますのでやれやれです。注文はありますがこれぞまさに極上のクリスマス・ファンタジーでしょう。