十二人の死にたい子どもたちのレビュー・感想・評価
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【どのような理由があろうとも、自死はイケナイというメッセージを逆説的に発信しようとした作品・・。25年度現在、大スターになった俳優さん大集合作品でもある。】
■12人の未成年たちが安楽死を求めて或る廃病院の密室に集まった。
ところが、彼らはそこで13人目のまだ生温かいベッドに横たわる死体に遭遇する。
12人の中に殺人鬼がいるかもしれないという疑心暗鬼のなか、死体の謎と犯人を探るうちに12人の死にたい理由が明らかになっていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・12人の死にたい理由
1.苛め
2.愚かな母がタバコの火を消し忘れ、火傷を負い弟は焼死
3.事故により、身体の一部が不自由に
4.人気アイドルだが、大人に作られたアイドル像に絶望
などまあ、そんな理由で(厳密に言えば1.は仕方がない人もいるかもしれない。)
練炭による安楽死を求めて廃病院に集まる。
・だが、そこには制約があり
1.集団安楽死
2.死に方、タイミングが12人全員一致すること。一致しない場合には、安楽死はしない事。
が条件となる。
・序盤、安楽死のために来た12人は”既に殺されている”13人目を見つけて、誰が犯人なのか疑心暗鬼になって行くのである。
・そして、12人はそれぞれ死にたい理由を話した後に、安楽死を選択しないモノは挙手すると・・。
■そして、皆が生き生きとした顔で廃病院を後にすると、主催者の少年サトシ(1番)
(高杉真宙)に対し、一人残ったアンリ(7番)(杉咲花)は、”これで、何回目?”と聞くのである・・。
<今作は、冲方丁の直木賞候補作を、堤幸彦監督が映画化した作品である。>
■謎謎
今作のフライヤーが手元に2枚あるのだが、12人のうち一人を演じた、今や大スタ―の女優さんだけが、顔だしせずに、フライヤーにも名前が記載されていません。
さあ、誰でしょうか?レッツ・チャレンジ!
大人が出演しないという決断。果たして英断か
『ソウ』『十二人の怒れる男』『エグザム』の、いいとこ取りを目論んだようです。映画の導入としては非常に上手く運んでいます。
てっきり、正体不明の殺人鬼をつきとめて、最小限の犠牲者に留め、心の底から「死にたくない!」と叫ばせる展開を想像していましたが、いい意味で裏切られました。
考えてみれば、私も10代の頃は取るに足らない事で消沈し、死んでしまいたい。なんて考えた覚えがあります。どこまでが原作の意匠なのか分かりませんが、実は心の奥底に生きていたいという願望を残しつつ、互いを理解し合うことで解決出来ないだろうか?という強烈なメッセージを感じました。
そして、この映画の思い切った決断に、大人が一人も出演しないという要素があります。むしろこの映画で語られる大人って、積極的にイジメを率先し、借金のカタに保険金を当てにして子供を殺す事を企んだり、作り上げた型に当てはめた挙句に自由を奪ったりと、ロクな人物がいません。そんな大人たちに囲まれた子供たちは、絶望の果てに自殺を選ぶ有り様。やや乱暴な印象を受けますが、そのくらいの発想の飛躍が無ければ映画は面白くならないので、着想の段階では非常に上手くいっていると思います。
残念なのは、もう少しキャラクターに幅を持たせる工夫が足りない事です。みな一本調子で、川栄李奈、杉咲花、新田真剣佑以外のキャストは、誰が誰でも大した違いを感じられなかったこと。
それと、ラストに流れるいかしたテーマソングが、American authorsの丸パクリなのが、苦々しい気分にさせられました。
それにしても橋本環奈は自分で役の幅を狭めてどうするんだろう。セルフパロディを許される程に自分の認知度が高いと思ってやしないだろうか?
自殺志願者ディスカッション
予告より
杉咲花と黒島結菜がグイグイ来るのが印象的だったと思う。 映画が終わってから監督が堤幸彦だと知った。 なるほどこれは堤幸彦っぽい。
動画配信で映画「十二人の死にたい子どもたち」を見た。
2019年製作/118分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2019年1月25日
杉咲花
新田真剣佑
北村匠海
高杉真宙
黒島結菜
橋本環奈
吉川愛
萩原利久
渕野右登
坂東龍汰
古川琴音
竹内愛紗
廃業した大病院に若者たちが集まってくる。
皆、自殺願望がある。
ここで集団自殺しようというのだ。
映画タイトルは「十二人の死にたい子どもたち」だが、
なぜか十三人いる。
子供たちというが演じているのは全員成人男女である。
それぞれが、どうして死にたいのか、自分の人生で何があったのかを語る。
これは会話劇である。
杉咲花と黒島結菜がグイグイ来るのが印象的だったと思う。
映画が終わってから監督が堤幸彦だと知った。
なるほどこれは堤幸彦っぽい。
一般評価は高いとは言えないこの作品だが、
自分はとても楽しめたので、
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
タイトルに恥じない良作
予告編を観て、「おいおい、嘘だろ?」と狼狽した。映画好きなら「十二人の~」と言われれば、どんなストーリーなのか、ピンとくるもの。
リアルタイム型・密室ゲーム?!そんなわけないだろ!
これは予告編がおかしいのか、それともタイトルから想像したような物語ではないのか?
いや、原作はタイトル通りだったよ?
期待と不安がごちゃ混ぜになりつつ、観てみたら「十二人の死にたい子どもたち」のタイトルにふさわしい、素晴らしい映画だった。
思えば、「死にたい」という気持ちは、今そこにある不幸への、大袈裟で単純な対処法なのだろうと思う。
人生で初めて直面した不幸に、どうやって対抗するのか?その選択肢の一つとして、暗闇から立ち上る誘惑。
かくして十二人は廃病院で安楽死に臨むことになる訳だが、予期せぬ「13人目」の存在が自殺決行の壁となる。
「決行には全員の意志が一致すること」がネックとなり、紛れ込んだ13人目・0番を巡って意見が対立する訳だが、この意見対立こそ作品の醍醐味だ。いやー、待ってましたよ!この展開!
0番がどうやって紛れ込んだのか?を追いかけながら、どうして死にたいと思ったのか?も少しずつ明らかになっていく。
その理由は様々で、「君は悪くないよ」と思ったり「そんな事で死のうと思ったの?!」と思ったり大忙しだ。
私が個人的に一番素晴らしいと思っているのは、12番のマイちゃん。彼女が参加した理由が笑っちゃうほどささやかな問題なのだが、本人にとっては大問題なのだろう。
そのギャップが良い。
命に優劣はない、という事を端的に示す深い問題であり、死にたい理由が本人以外(観ている私たちも含めて)にとって「くだらない」から面白いのだ。
生きることに優劣はない、死にたい理由にも優劣はない。他人の「死にたい理由」を否定は出来ないし、逆に言うと自分の「死にたい理由」は他人に共感してもらえないものである可能性があるということ。
それに気づくだけでも、この集いには価値があった。
原作でもその素晴らしさは充分表現されていたと思うが、映像になったことでより感覚的に馴染んだと思う。
予告編がなんであんなアオリなのか理解に苦しむが、それもまた価値観の違いってヤツなのだろうか?
サスペンスではない
自殺願望があったため、自分の気持ちに寄り添った映画を検索していたら...
死にたいと考えたことがあるひとには刺さりそうな映画
タイトルのパンチの強さと「杉咲花、橋本環奈、高杉真宙、新田真剣佑、萩原利久、北村匠海」などのキャストの豪華さに驚き鑑賞しました。
ポジティブ思考の私にはあまり刺さるような映画ではありませんでした。この映画を一番楽しむためには作品に入り込むことが必要だと思います。12人の誰かに感情移入できるか。または共感できるかです。
なにより人狼ゲームや王様ゲームのような皮肉な殺し合いだと思っていたので想像とは違い、すこし驚きました。
レビューでは散々な書かれようではありますが、内容も濃く批判されるだけの映画ではないと思います。
なによりキャストの素晴らしい演技に惹かれます。個人的にはオチのつけ方が上手だなと感じました。あの展開からああやって終わるとは…今までにはないような映画だったと思います。
しかし、サスペンスやミステリーとしてみるとすると少し内容が薄く感じるかもしれません。映画と見るよりかは病んでいたり、死にたいと思っている人へのメッセージとして見るほうがいいかもしれません。
46点
死にたいのは11人
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