劇場公開日 2018年12月7日

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「Ooooh,boy!Oh,boy!」おとなの恋は、まわり道 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0Ooooh,boy!Oh,boy!

2018年12月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

リンジーとフランク、はみ出し厄介者同士の会話劇。
皮肉の効いた章ごとのタイトルが面白い。世の中はナルシスト達によって成り立っている。

新郎新婦やフランクの家族などいくらでも掘り下げようがあると思うけど、敢えてそうせず二人のやりとりに徹底的にスポットを当てたつくりが新鮮に感じた。
完全にモブに徹している周りの人たちの表情がなんだかシュール。

87分間、とにかく喋り続ける二人。
罵り合いから始まり褒め合いに変化し、身の上話に人の悪口に人生論までとテンポ早にどんどん展開する話題。
矢継ぎ早な掛け合いの一つ一つが面白く、飛び交う言葉の影で少しずつ感情が動いていく様子が可愛い。
絶対的なキッカケよりも最初から気になって仕方なかった気持ちを小出しにしているような。

まさかのタイミングで始まったラブシーンの滑稽さは最高。
スクリーンの左端で動き続ける上半身のカットと止まらないお喋りがおかしくておかしくてたまらなかった。
本能的な欲望を剥き出した人間の姿格好は気持ち悪いものだと言うフランクの言葉には共感するけど、それを笑い飛ばすような潔さと突き抜けた朗らかさを感じた。

日常の中で当たる些細なイライラを拾ったり、特徴的なクセを印象付けて効果的に使うのでどうしても二人が愛おしく思ってしまう。
感情移入もしたけど、側で見守って応援するような気持ちの方が大きかったかな。
まわり道と言えばまわり道。案外近道にも思える。
リゾート地と言うよりものどかな田園風景のようなロケーションがとても良かった。

ポスターのイメージから思わず劇場でワインを買っての鑑賞。
ホテルの部屋で二人と一緒に乾杯して飲めたので大満足。
キアヌ・リーブスの髭の生え方って独特だよなあ。

KinA