劇場公開日 2018年12月7日

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「「なぜに世界はこれほどまでにナルシストであふれているのか」」おとなの恋は、まわり道 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「なぜに世界はこれほどまでにナルシストであふれているのか」

2018年12月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

大凡、ハラスメントと弾劾されそうなセリフを我が国の基準に従って「自粛」したとすると、この映画の前半部分は「無言劇」になってしまう。もう、酷い。そりゃぁ、ケッサクで笑えるけど。二人芝居で、ぱっとしたイベントも事件も事故も起きないので、その類のものでストリーを追いかけて楽しみたい人にはお勧めしない、どころか観ない方が良いと進言します。

副題にある「なぜに世界はこれほどまでにナルシストであふれているのか」から発想した、かどうかは不明だけど、ナルシズムが物語の発端であり、放送禁止用語とシニカルと罵詈雑言で会話を成り立たせる、異常なカップルを成立させる鍵になってます。

他人をリゾートまで呼びつけて結婚を祝わせるのもナルシズム。過去へのこだわりなんて持ってないです。この世に二人といないクソ野郎だと思うが、おめでたい儀式でおめでとうと言える度量はあるよ。二人は己のBIGさ(この言葉は、高い視点から物事を見れる懐の深い人間であることを意味する)を誇示するためにリゾート婚に出席しますが、それもナルシズム。かなり歪んでるとは思うけど。

ナルシストだらけの、愛すべき、このくそったれな世界の中心で(野生のプーマが居るくらいのカリフォルニアのド田舎だが)、屈折して歪んでひん曲がったココロ持ちの男女が、恋愛関係を成立させるまでを、何を勘違いしたのか、ウィノア・ライダーとキアヌ・リーブスの二入芝居にしてしまうというセンス。その発想こそが、勘違いのナルシズムじゃね、と想いながら、クックックッと笑いを押し殺し、字幕を必死に追っかけまくる87分。大人一人での鑑賞を、強くお勧めします。

この脚本、かなり好き。

bloodtrail