「山崎努の演技に支えられた作品」長いお別れ Masayaさんの映画レビュー(感想・評価)
山崎努の演技に支えられた作品
痴呆症が進む男性と、その家族の数年間の交流を綴った作品だけに館内は私を含め中高年の方が目立った。
痴呆により奇行をする老人、それにアタフタとする家族の姿は客観的にはコミカルで微笑ましくも見えますが、自身の将来に置き換えれば笑って良いものか考えさせられてしまいました。
徐々に記憶を失っていく老人を演じる山崎努の無表情な演技は、本当にボケたのではないかと思える見事なものでした。台詞の少ない山崎の心情は、妻や娘役の語りかける言葉で表現される構成は上手いが、それらは彼女達の言葉であり、父親の本音は我々が想像するしかないのでしょう。唯一心を通わせたかに見える反抗期の孫との交流が、もう少しきちんと描かれればもっと良い作品となったのではないでしょうか?
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