「*家族が老いていくことの切なさといとおしさを描いた作品」長いお別れ あんりんさんの映画レビュー(感想・評価)
*家族が老いていくことの切なさといとおしさを描いた作品
現役時代は校長まで務めた知的な父親に少しずつ認知症の症状が現れる。その父親を世話する母と2人の娘たち。母、長女、次女が父との関わりの中でそれぞれが抱えている悩みや苦しみを織り交ぜながら、懐かしい思い出を辿り、そして気持ちを分かち合っていく。家族ならではの やるせなさ、温かさ、切なさをとても優しく描いた作品で、とても感動しました。
時折、クスッと笑える場面、静かに涙ぐむ場面、じーんと胸に迫る場面、、などなど細やかな描き方は中野量太監督の素晴らしさを感じます。
山崎務さんの言葉を必要としない表情だけの演技には圧巻です。松原智恵子さん扮する 品の良さの中にどこかズレたようなほわんとした母親が可愛らしく健気でした。夫をひたすら支え、尽くすという昭和の時代の典型例な理想の夫婦像が表現されていましたが、そのつながりに夫婦を超えた人と人との愛を感じました。
長女の息子(孫)との非言語の関わりにインターネットがそのつなぎ役をしているという今の時代らしい背景もうまく表現されていました。素晴らしかったです…!
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