「何年経っても、家族の絆って大事だよね。」長いお別れ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
何年経っても、家族の絆って大事だよね。
中村量太監督最新作ということで、メチャクチャ期待していた作品。
今日観れて大満足です(^^)
あの『湯を沸かすほどの熱い愛』で、衝撃を受けた新人監督の2作品目でしたが、今回も予想をはるかに超えた素晴らしい仕上がりでした。
作品のテーマは認知症。
70歳を迎えた父親の、認知症生活が描かれています。
病気がテーマだから、重くて悲しい話になるのかな?と思っていましたが、やはり中野監督は違った。
笑いあり、優しさありの、家族っていいなと思いたくなる、心のほっこりする素敵な作品でした。
なんと言っても、認知症を演じた山崎努さんのその演技力に圧巻。
監督曰く、この撮影は、時系列順に撮影していなかったため、初日の撮影では、かなり認知症の進んだ姿を演じなくてはならなかったとのこと。
そんな大変な撮影スケジュールの中でも、80歳を超える山崎さんは、細かく撮影スケジュールを計画して撮影に挑んだとのこと。
あの素晴らしい演技には、そんな裏があったのか⁈と驚かされました。
そんな、山崎さんの素晴らしい演技に引けを取らなかったのが、家族の女性たち。
松原智恵子さん
蒼井優さん
竹内結子さん
3人の女性たちの自然な演技が、家族の在り方を生き生きと描いています。
私の父ももう70歳。
決して人ごととは思えない内容だっただけに食い入るように見入ってしまいました。
いつか、自分の父が認知症になってしまうかもしれない…。
その時自分にできることは、一体どんなことなのか?
親の介護=辛い、苦しいというイメージでしたが、この映画を観ることで、そんな気持ちが少し楽になりました。
楽しかった思い出、嬉しかった出来事、些細なことが思い出されるたびに、家族が笑顔になって、一度バラバラになった家族がもう一度繋がってくる。
そんな家族の絆を、沢山感じる事が出来ました。
中野監督は今回初めて原作のある作品を映画化したそうですが、まるで監督オリジナルの作品なのかと思うほど素晴らしく完成された作品でした。
原作は元々短編集だったそうですが、映画化するにあたり、長編仕様に脚本したそうです。
そのアドリブの効いた脚本がとても良かった!
どこも無理なく、自然な雰囲気で描かれているので、すんなりと作品に入っていけました。
やっぱり、中野監督の映画はとっても好き!
次回作ももう決まっているようですが、きっとこれまで以上に素敵な作品になるはず!
次回作が早くも楽しみになる、素晴らしい作品でした。
大好きな中村倫也さんが出演していたことにも大満足!!
大変満足した2時間7分でした。
そした、今日は監督の登壇もあり大満足!
充実した一日でした、ありがとうございました(^^)