劇場公開日 2019年11月15日

  • 予告編を見る

「完璧な原作再現」地獄少女 aki 21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5完璧な原作再現

2019年11月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

萌える

原作アニメが好きで、公開初日に鑑賞してきました。
アニメ原作の実写化という事であまり期待していませんでしたが、良い意味で期待を裏切られました!

あくまで地獄少女こと閻魔あいは物語の装置でしかなく、描写されるのは登場人物達が地獄に流されるまでの過程、という完璧な原作リスペクト。映画という限られた時間の中で何人かの人々が流されましたが、けっして駆け足ではなく丁寧に人物が描かれ、その理由も些細なものから逆恨みまで、まさに原作通りの"地獄少女"です。

地獄少女に関わる人物が複数いますが、オムニバス形式ではなく、しっかりと主人公たる人物の周囲で物語が展開しており、映画としての完成度も高いです。
原作以上に醜悪な地獄の描写や、原作ばりに美しい地獄流しのCGなど、映像もとても綺麗でした。閻魔あいが依頼者と話す場所でお馴染みの夕日の差す丘は必見です。

主演の玉城ティナさんも閻魔あいにしては身長がある方なのでイメージと合わないと最初は思っていましたが、黒髪ロングの着物姿が非常に美しく、また驚いたのは、各台詞の声やトーンがアニメで閻魔あいを演じる能登さんにそっくりだったことです。
(途中まで台詞は能登さんが吹き換えてるのかと思いました)
恐らく原作アニメも見てイメージをだいぶ近づけてきてくれたんだろうな、と感じる演技力でした。

スポンサー等の関係があるのか、やたらオリジナルの楽曲が多くそこだけが嫌な目立つポイントだったかなと思います。

初日ということでほぼ満員でしたが、原作ファンが多く見に来ていたのか、終了後拍手や色めき立つ声があったのが印象的でした。
アニメが4期まで展開したように、現代らしい暗く冷たい人間性と、それを地獄に流す地獄少女という舞台装置さえあれば、無限に話を続けられるのが"地獄少女"という作品の魅力だと思うので、もし映画の売り上げが上々であればぜひ次作にも期待したいなと思える映画でした。

aki 21