劇場公開日 2020年3月20日

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「ストーリー構成の教科書」一度死んでみた 〓〓〓さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ストーリー構成の教科書

2021年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

まず流石の電通。さすでん。とんでもない大御所俳優を数秒のモブキャラで出してくる。金あまってるぜこいつら
広瀬すずかわいいです。こういうイカれたヤンキーみたいなのもできるんだね。吉沢亮もインキャめちゃめちゃあってた。普通にかっこいいし。

本題。
ストーリー構成が結構完璧である。まじで。
セオリー的観点でたぶん完璧だと思われる。これおそらく物語を作る趣味とか持ってる人は参考にしていいレベルである。

スタートで主人公設定と抱える心の問題(父親への恨み)などをざっくり説明し、さらにその主人公を本筋となる問題(父の死)に直面させて全体のテーマをさっさと示してから、そのあとに父が死ぬまでの経緯を遡って説明する形式を取ることで序盤の掴みを完璧に成功させている。
前半は伏線となるギャグを散りばめながら父の死の経緯を描いて、この映画のターニングポイント(視聴者が最も見たい部分)である『父嫌いだった娘が父の遺体を見て揺らぐ』シーンまでを描き、そこから一切ダレることなく生き返らせるための行動が開始され、さらに中盤での大問題発生、そこからクライマックスにあたる最大のピンチまでに前半の伏線回収がキレ〜〜に行われ(ここ本当に唸るレベル)、完璧な結末を迎えている。
この手の金だけかけたような邦画ってその辺投げっぱなしなこと多いんだけど、これは本当に構成がバッチリでもう完全にやられましたね〜

クライマックスのお約束として『心の問題を解決した主人公が本筋の事件を解決させる』必要があり、今回でいうと『父親嫌いだった娘が父を見直し、生き返らせるために奔走』するわけですが、父を嫌う理由の説明、とある出来事によって父の本心と愛を知り、見直すシーンの説得力も本筋の事件とうまく絡ませていてバッチリだし、外部の人間の主張や行動、話を大きく動かすタイミングなど全てに必然性があり、いい意味でめちゃくちゃ本当に教科書である。
まじでピクサーの脚本担当でも拉致したのかって言ってもプチ過言なくらいである。

んで、まあ肝心のギャグ自体はわりとスベってる。これ言ったら本末転倒な気がするけど。主に前半。でもギャグってほぼ感性の問題だからしゃーないけどね。全体で人を飽きさせない作りならそれが正義だ。後半で回収されるし。

それに後半のギャグは普通に笑える。個人的にリリーフランキーのくだりは大体笑った。あと親子の間に線引いてソーシャルディスタンスしてたりコンサート中止ネタとか、当時この早さでコロナ要素とマッチしてる部分があったのも秀逸である。偶然なんだろうけど。

とにかくこれは名作です。星5じゃないのは嘘っぽくなっちゃうからでぶっちゃけ実質満点みたいなもんです。おすすめよ!!

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