ゴッズ・オウン・カントリーのレビュー・感想・評価
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"神の恵みの地"で愛し合う者たちへの願いが明確に
"神の恵みの地"と呼ばれるイギリスのヨークシャーは、かつて牧畜業で栄えた地。しかし、今は斜陽の只中にある。そんな希望のない状況が、年老いた祖母や体が不自由な父に代わって、黙々と牛の世話をする主人公の青年、ジョニーの日常には現れている。また、ジョニーが恋に落ちる日雇い労働者のゲオルゲは、故郷のルーマニアでは高学歴のインテリだ。そんな彼が、わざわざヨークシャーまでやってきて牧畜の助けをしなくてはいけない状況には、ヨーロッパが抱える移民問題の根深さが伺える。共に出口のない日々を送るジョニーとゲオルゲが、一緒になって大地に根差し、愛を確かめ合う物語には、ヨークシャーを、またはヨーロッパ全体を、地球の大地を、再び"神の恵みの地"へ返そうとする明確な意思が感じられる。ラブストーリーとして秀逸である以上に、そこが、この映画を味わい深いものにしている。
誰か一人いてくれたらいい
自分を愛してくれる他人が一人でもいてくれたら、自分をあきらめなくていい。逆に自分をあきらめたくなかったら、その人を手放してはいけない。そんな誰もが持ってる感情を静かに丁寧に美しく表現している映画。
ジョシュ・オコナーの笑顔と涙
音楽と台詞が極限までずっと抑えられていたのは、ジョニーがゲオルゲに自分の思いと言葉を吐露する最後のシーンゆえの溜めだったかと思いました。
ジョニー演じるジョシュは色が白いからか、はにかんだり微笑んだだけで顔に紅がさす。美しくもめまぐるしく変わる自然の中で、祖母と体の自由がきかない父親と暮らし大黒柱として働かざるを得ない若い彼の孤独と希望の無さが重かった。それが、ゲオルゲの出現によって、羊や牛の存在、小鳥の鳴き声、小川の音、風、干し草、牛舎を掃除する音、刻々と変わる空の色や光、家の中の生活、そのすべてに命が宿り始める。ジョシュもアレックも小さい表情や目の輝きや微笑みが素晴らしかった。ジョシュが好きだから、もあるけれどいい映画でした。
おまけ
Netflix配信ドラマ「ザ・クラウン」でジョシュ・オコナーがチャールズ皇太子を演じるエピソードを2本見ました。「ウェールズ公」(season 3/26)が素晴らしくよかったです。まだまだいっぱいあるようなのでゆっくり見ます。ジョシュの映画を映画館で見られる今年は豊作です💕
ゴッズオウンカントリーの方がめちゃくちゃ良い。
先にアンモナイトの目覚め観てたけど
ゴッズオウンカントリーの方がめちゃくちゃ良い。
監督のフランシス・リーはゲイを公表していて
両作とも美しいが厳しい自然を背景に同性カップルを描く作品だけど
オッズゴウンの視線は優しく、アンモナイトはシビアで冷たさがあるのは何故なのか。
あと性描写が生々しいので観てて気まずくなる。
(最近の性描写の取り扱いの風潮を考えるとそこまで、そうゆうシーンが必要かどうか考えてしまう)
ってところが気にはなるが
この作品は、美しいが取り残されたような田舎町での
家族間の不和や、憎しみや愛と、ゆるしが丁寧に描かれていて
主人公の2人の関係性の変化が四季の様にうつろっていく様もめちゃくちゃ美しい。
出会い、別れて、再開するとゆうシンプルな物語だけど
その中に、人間の感情が丁寧に織り込まれていた。
英国版ブロークバックマウンテンと言われているがゴッズオウンは同性愛者が死ぬ話でないのが良い。
普通の一組のカップルの人生と愛のお話であることがゴッズオウンカントリーの素晴らしいところだと思う。
【”神の恵みの地”と呼ばれる英国、ヨークシャー地方を舞台にした禁断の愛が生まれる瞬間を壮大な映像美で綴る作品。】
■寂れた牧場をひとりで管理するジョニーは、身体の悪い父親の不在を補うべく、過酷な酪農作業をする日々を孤独を感じながら、酒と不毛な男性とのセックスで紛らわしていた。
ある日、羊の出産シーズンにゲオルゲという青年が雇われる。
2人は当初、衝突するが、羊に優しく接するゲオルゲにジョニーは感じたことのない恋心を抱き始ねる。
◆感想<というか、個人的経験と嗜好・・。>
・私が、ゲイ映画に嵌ったのは、学生時代に名画座で学友たちと鑑賞した「アナザー・カントリー」が切っ掛けである事は間違いない。
”一生、女は愛さない”という惹句に惹かれ、恐る恐る鑑賞したが、若きルパート・エヴェレットと、コリン・ファース(この方は、年齢を重ねても変わらない。凄いモノである。)の姿に一発でヤラレタ。
- で、おバカな男子大学生は”アナザー・カントリーごっこ”を始めたモノだ。ー
・だが、私には当時学友たちに言えない悩みがあった。
それは、高校時代の学友(男性)が私に好意を抱いてくれて、電車で数時間かけて私のアパートに頻繁に来ていた事である。
最初は、ビックリし”冗談は止めろ!”と言っていたのだが・・。(以下、自粛)
・だが、私はストレートだということは認識した。ケレドも、若き時の経験はその後の私の生活には影響を与えなかったが、映画ではゲイ映画に耽溺と言う程でもないが、グザヴィエ・ドラン監督や、トム・フォード監督作品他、数々のゲイ映画は欠かさず観賞して来た。
そして、どの作品も(一つだけ「性の劇薬」だけは除きたい・・。面白かったが。)面白く鑑賞した。
・今作が染みるのは、「神の恵みの地」(ゴッズ・オウン・カントリー)と称されるイギリス・ヨークシャーの荒涼たる大自然の中で、心を通わせていく青年たちジョニーと短期労働のためにルーマニアからやってきたゲオルグの姿に心を揺さぶられる事である。
最初は、馴染むことなかった二人が、羊に優しく接するゲオルグの姿を見たジョニーが彼に惹かれて行く過程である。
・そして、ジョニーが自らの牧場を去った、ゲオルグに再び、会いに行くシーン。
- ジョニーは、初めてゲオルグに真実の愛の言葉を伝えるのである、-
<私は、”BL”という言葉は余り好きではないのであるが、大自然の中、同性同士で愛を交わすのは分かる気がする。
(これは、私が30代後半まで、エクストリーム登山をしていた事も、寄与している気がする。)
そして、私にとっては近年で言えば「君の名前で僕を呼んで」を代表として、このジャンルの映画は、猥雑感は全くなく、素直に受け入れられるのである。
更に言えば近年、日本でも一部の都市で、同性婚を認めるようになってきた風潮。
日本の文化では受け入れられない地域も多数ある事は認識しているが、人間の生き方を許容する幅が徐々にではあるが、広がってきた事は、日本の文化成熟度が進化してきたのではないかと思うのである。>
<2019年3月 京都 新しく出来た出町座にて鑑賞>
<2022年5月 別媒体にて再鑑賞>
「羊の薬買ったよ」 の意味するところ
あまりにアンモナイトの目覚めがよかったもので、ちょうど上映していたフランシス・リー監督作品を迷わず観賞。イギリスのヨークシャーの牧畜を営む家での話。アンモナイトの目覚めでは若い医者役で出ていたアレック・セカレアヌ。ルーマニア国籍だが、エキゾチックな容姿で、主人公のジョン(ジョシュ・オコナー)は初対面のゲオルゲ(英語だとジョージ)をジプシーか?と揶揄し、しつこく、ジプシーと呼ぶ。つい、ケイト・ブランシェットが愛を読むひとで演じたロマの人々を連想してしまいます。ゲオルゲは助っ人の季節労働者。飲んだくれで、なにをやっても適当で仕事に身が入らないジョンと半身麻痺の父親だけでは家畜の出産ラッシュの時期を乗りきれないと父親が判断したのでしょう。ゲオルゲは羊の出産立ち会いの技量が高く、命に対する細やかな心をもっていた。諦めずに蘇生し、仮死の子羊が息をし、すぐさま立ち上がるシーンは感動的だった。まるで獣医さんのよう。死産の子羊の皮を剥ぎ、別の子羊にそれを着せる。ちょっと残酷。プードルの冬の散歩?と思ってしまったが、おそらく、子羊の体温低下を防ぎ、産んだ母羊にも子供の匂いを嗅がせることが授乳に良い影響をもたらし、子羊の成育を促す効果があるのではないか?失った命も決して無駄にはしないルーマニア人の知恵なのではないかと思った。全くの想像ですけど。
羊のオマタに青いスプレー。何すんの? 「羊の薬買ったよ」って、ゲオルゲに嬉しそうに言うジョン。まさか、動物愛護団体の猛烈な抗議の的になるので、映像化できないアレ?
セリフが少なく、静かな映画。役者は細かい演技と思いきった演技の両方を要求されるので大変。対照的な二人を対峙させる脚本もアンモナイトの目覚めと良く似ていた。
お客さんはやはりご婦人が多かった。きっと、いくつになっても刺激的なボーイズラブ映画はやめられないんでしょうねぇ。わかる気がする。
おいらはもう一回、アンモナイト見よう!
天が引き合わせた二人
愛を知らないかわいそうなジョニーだった。ゲオルゲと出会い、彼の優しさに触れ、かわいそうなジョニーは変わった。愛されたいという欲求が満たされて、彼はいつしか誰かを愛したいという希望を持つようになる。フランシス・リー監督の商業映画デビュー作。リー監督の審美眼は本当に素晴らしい。最高のスタッフと最高のキャスト。すべてが相乗効果を成している。この作品で見事な演技を披露してくれたジョシュ・オコナーとアレック・セカレアヌ。ジョニーとゲオルゲのように彼らにとってもこの作品は特別な経験になったという。A match made in heaven.まさに天が引き合わせた二人だ。
I want to be with You.
ヨークシャ地方で羊を飼育しているジョン。父と祖母と三人ぐらして全ての労働はジョンにかかっている。父親は一度倒れたようで、体を自由に使えない。春の羊の出産時期になると季節労働者を雇うようで、今年もギオーギ(Gheorghe ーAlec Secareanuー初めてみたがハンサムな俳優)が彼の家に。ジョンはギオーギのもみあげをみて、パッキーか(パキスタン人の軽蔑した言い方)と聞くがルーマニア人だと答えるとジプシー(軽蔑用語)かと聞いたりし、まるでギオーギの心を無視しているうえに、狭い社会で生きているから、自分が差別用語丸出しでも気がつかない。
二人の脱いだ服を見つけて片付けている時、使い終わったコンドームをみて祖母は苦しんだ。
祖母の葛藤と息子を理解しょうとする心に私は泣いた。毎日毎日バーで呑んだくれていた息子が、ギオーギを好きになって人が変わったことに気づいている。
それに、ギオーギが去って、日々の仕事だけを夢中にこなしている孫が忍びないと思っている。孫が出かける時、最後に何か忘れているんじゃないととジョージが働いている住所をテーブルからとって渡す。泣けるな。
祖母も父親もジョンを愛しているが文句ばかりで、褒めたり、感謝したりする言葉を全く出さない。でも、父親を入浴させている時、父が初めて息子の手に自分の手をおいてありがとうと言った。
https://www.youtube.com/watch?v=7dLrr9KdnVQ The Days - Patrick Wolf
LGBTQであるということの生きづらさ、それも、片田舎で、閉ざされた世界だと、サポートされずに色めがねでみられているし、受け入れられない。このような状態で生きている人々にとっての救いは家族の理解だと思う。家族の数多くの葛藤の渦の中で、GLTBQもその一つの葛藤として理解し解決していると思える映画。
圧倒的説得力
限られた時間、閉鎖された空間に男2人という設定は
とても説得力がある。
同じようなアングルと決して派手でないカメラワークが
代わり映えのない毎日と同じような日常を過ごしてる
んだなぁと理解出来て、
2人が結ばれる事がとても納得出来た。
主人公が初めは俯向いてて酒浸りだったのが、
良い恋愛をして人が変わったように仕事に打ち込み
家族に向き合う様に、
恋愛相手が異性であろうが同性であろうが、
良い恋愛をして男が上がるのは変わらないなと
思いました。
グッと来たのはおばあちゃんの涙だった。
あの世代が理解するのは人格とは別で、理解できない
事だと思うので、とても辛かったろうと思ってからの
主人公に髪を渡すシーンにグッと来た。
しかし、ゲイのカップルは
事が始まる前はどっちかが女の子みたいに可愛なったり
するのに、事が終わったらカッコいい二人組に
なったりして見てて飽きないな。
「ヘンタイ」「ホモ野郎」
俺の恋は、こんなところにあった。って気付くんだけど、二人の距離の詰め方が男同士らしく荒っぽい。そこの二人の感情に揺れ具合がいいなあ。
だけど、最近、男女の恋愛よりもLGBTの恋愛を扱った映画のほうが観ている気がする。そのせいか少々食傷気味のきらいあり。
羊の皮を被った羊
かわいい子は何を着てもかわいいですね。
羊ちゃん可愛かった。
前半は主人公の生意気さにムカつきますが、だんだん恋を知って可愛くなって行きます。
パスタのシーンは最高。
不器用な家族の不器用な愛情表現にじりじりしてしまったり。
感動してしまった。
ゲオルゲさんのパスタ
雨のなか映画館に向かい、観終わって外にでるとすっかり晴れて街が夕陽に輝いていたのだけど、まさにそんな作品だった。
これからの彼らに神の祝福があらんことを祈らずにいられない。帰り道、夕暮れの光のなかで映画の余韻に浸りながら暖かい気持ちになった。
田舎の牧場で抑鬱した生活をおくるジョニーと、移民労働者として差別に苦しんでいる(と思われる)ゲオルゲさんが、衝突しながら、互いの手の温もりに触れて、愛を見つけるんだねえ…
荒々しいジョニーだったけど、ちゃんとゲオルゲさんにほんとうの気持ち伝えられるかな…思わず応援しちゃう。
最高だったところ、たくさんあるけど、とりあえず2つ。
ひとつめ。バスタブにふたりで浸かって、ビール飲みながら、ひとつの煙草を順番に吸うところ。最高。絵が強い。
ふたつめ。ゲオルゲさんの作ってくれるパスタ。トマトソースのショートパスタを2人分つくってくれたゲオルゲさん、まずジョニーのお皿のパスタをひとくち食べて、味が薄かったのか、塩をぱっぱ、そしてジョニーにどうぞと。台詞はひとつもないけれど、だからこそ静かで穏やか。愛の結晶みたいなものを観た気がした。
こういうちょっとした演出?ってどうやって生み出されるの天才か……………
失って気づく大切なもの
仕事や生活に行き詰まり、希望を見出せず孤独で友達もいなく家族とも揉めてばかり…
若いジョニー
経験と知識のあるゲオルゲ
やたらヤるシーンが多いなと思ったが、少しずつ変化していく
そして大切なものは失って気づく
ほぼずっと無表情だったジョニーが、最後ボロボロに泣きながら自分の想いを告げる
成長は1人じゃ出来ない
意地を張らずに誰かに頼ってイイんだよね
ブローク・バック・マウンテン?
ホモ・セクシャル関連の映画と知って観たが、川でキャッキャするシーンが「ブローク・バック・マウンテン」とそっくり。時代背景がちょっと前かと思いきや、医療機器は現在のものだったので(職業目線)今でもイングランドではLGBTへの偏見がかなりあるのかな。自分は息子が男の子を連れてきて「結婚する」と言っても全然良いけど。
タイトルなし
とにかく景色が良い。「美しいが寂しい場所」という台詞があるが、緩やかな丘陵、延々と続く農地、遠くに見下ろす街の明かりの映像だけで見惚れる。友人は都会の大学に行き、自分は体の不自由な父の代わりに牧場で働いている主人公の未来のない感じが却って美しさを際立たせている。
愛する人を見つけて更正するという何とも分かりやすいストーリーも舞台の力もあって良いのだが、何か急におっ始めて急に仲良くなったなという感じがちょっとする。前半は行間を読むのが苦手な人には面白くないかも。
ラスト、ゲオルグとの農場のやりとりは蛇足。 力強く彼の農場に向かう...
ラスト、ゲオルグとの農場のやりとりは蛇足。
力強く彼の農場に向かう主人公の背中と明るい陽光だけで充分に表現できたと思う。
祖母と父の、それぞれの受け入れ方、その描き方は素晴らしい。
好き嫌い別れる作品❗
星🌟🌟🌟 はっきり言って好き嫌い別れる作品❗男同士だからわかりずらいと思い男女に置き換えると意外と感動のラブストーリーになるような気がします❗いままで人に気を許さない主人公が彼と会い甘えるようになるのがラブシーンで解るようになります… 詳しくいうと下品になるのでやんわりと…主人公は彼に会うまで男役だったのが彼と会って女役になってます❗自分はノーマルですがそこも監督とかは意図してるのかも… 観客は自分を入れて10人位でしたが自分以外みんな女性だったのが興味深かったです❗そういった面でも面白い作品でした❗意外と女性にオススメかも…⁉
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