「寅さんはもういない、寂しく虚しくて。」男はつらいよ お帰り 寅さん 2子5孫さんの映画レビュー(感想・評価)
寅さんはもういない、寂しく虚しくて。
特殊で高度な技術で、寅さんが現実に復活して新しいシリーズで演技しているように見せてくれるとばかり思い込んでしまっていた。
あらゆる回想シーン(既シリーズからの)は寅さんがそこにいて懐かしく、待ってましたと安心はしたが、既に何度も観ているシーンなので。
回想シーン以外の本来のシーンでは、寅さん不在がつきまとい喧嘩のシーンもなんだか洒落にならない。
今までのシリーズでは、寅さんが居ても旅に出ていても、喧嘩でさえも楽しく明るく観られていたが。
吉岡秀隆とゴクミを中心に話がまわっていたとは知らなかった。
吉岡秀隆の演技は若い頃の方が自然で好きだ。
好みもあるだろうが、吉岡の目の演技(それともあれは地?)や発音が苦手に感じた。
役の満男の屈託が映画のトーンをやや灰色にしていた印象もある。
泉の父親がらみの、深刻で冷たいいざこざも、あすこに寅さんがいてくれさえしたら全然違っていただろうと思ってしまった。
寅さんの生死をはっきり描くセリフがないのは、それでいいと思う。
そんなセリフ、とても入れられなかったのだろう。
それを言っちゃあ、おしめえよ。
フーテンの寅さんだから永遠にいつか帰ってくる人でいい。
でも、映画の寅さんは渥美清さん存命の時のシリーズだけで、もういい。
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