「蜘蛛の糸」暁に祈れ 青空ぷらすさんの映画レビュー(感想・評価)
蜘蛛の糸
言葉も分からず地獄のようなタイの刑務所に放り込まれるイギリス人ボクサーが、ムエタイを通じて立ち上がる。
タイ語の字幕がないことで、主人公の地獄や恐怖、不安を観ているこっちも追体験させられるという仕掛けや、ハンディーカメラを用いて超至近距離で撮影することで、試合中の主人公の息遣いを耳元で聞いているような感覚など、意欲的な演出が光る。
さらに劇中、主人公に何度か救いの手が伸ばされる様子は、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出した。
そういう意味で、極めて東洋的な価値観の映画だと思う。
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