嘘をつく男のレビュー・感想・評価
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ミステリアスな迷路に迷い込んだような。
ユニークでおもしろい。
この<おもしろい>というのは、楽しい、とか笑える、とではなく、興味深いということでもなく、テーマパークの迷路のような…鏡張りの迷路で迷ってしまったかのような、そんなおもしろさ。何がどうなっているのか、進めば進むほどわからなくなるような。ゲーム感覚。
戦争で路頭に迷い人間的にも精神的にもイカれてしまったと思われる男が、ある村に辿り着き、そこでよからぬ野心を抱き、悪知恵を働かせて嘘を重ねていく、といった筋のようだ。(ジャン=ルイ・トランティニャンの、メチャ軽薄さを感じさせる男振りが絶妙で、吸い寄せられる)
館で暮らす妙に艶かしいミステリアスな女たちに彼は吸い寄せられていく。このあたりは男の願望ってやつかしら。女から見ても、彼女らは美しく魅力的で魔力を持っているかのように見える。
嘘に嘘が重ねられ、エスカレートしていく。
やがては嘘からくる妄想に苦しめられるようになり、自分から内部崩壊したようだ。
ミステリアスなアトラクションのように、展開を楽しみ、ひとつひとつの場面を楽しむ。
☆☆☆★★ 冒頭での、森の銃撃を観た瞬間に。ひょっとしてロベール・...
☆☆☆★★
冒頭での、森の銃撃を観た瞬間に。ひょっとしてロベール・アンリコの『ふくろうの河』じゃなかろうか?と思いあたった。
映画を観終わり、当たらずとも遠からずだったのでは?…と。
映画の全編で、今スクリーンで展開されているのは。この男の《記憶》なのか?それとも《夢》なのか?…と、絶えず頭の中で考えがグルグルと巡る。
どこが【真実】で、どれが【嘘】で塗り固められているのか?。
いやそうでは無い。全てはこの男が作り上げた【妄想】なのではないのか?…等と。
確実に迫り来るナチスの影。命からがら迷い込んだ1つの村。死の恐怖に怯える男に向けられるのは、謎の男に対する村人達の不審な眼差しだった。
そんな、死の恐怖と共に味わう招かれざる客の雰囲気を。一時的にも忘れさせてくれるのは、何やら倒錯的で妖しい女達。
死に怯え、癒しを求める男には女神の様に見えたのかもしれない。
だが…。
中盤で、この女達がハサミで髪を切ったり。縄で縛ったり。この監督独特の、倒錯的な描写に至る場面は圧巻で。まるで、男がその場所に居ないのを良い事に。大勢の死神が、男の寿命を削ぎ落とそう…としている儀式の様に感じられて、観ていてもゾクゾクとさせて貰えた場面でした。
真実を求め村の中を調べる男。
やがて訪れ重なり合う、〝過去の自分〟と〝未来からやって来た自分〟との対面。
しかし確実に、その《運命の時》は近づいていた。
以上かなり適当。且つ勝手に解釈したレビューになっております。
2019年2月21日 キネマ旬報シアター/スクリーン3
寝た
ヌーベルバーグ界隈で、この人の監督した映画は見たことがなかった。体調が悪く風邪薬を飲んでいた事もあり、始まって10分後には寝落ちした。
多分この先何年経ってもカッコいいままなのは、ジャン・ルイ・トランティニャンのジャケットの着こなし。惚れ惚れする。しかし嘘をつきまくり、ひたすら女を口説きまくる彼の様子をこのような眠くなる演出で見続けるのは辛かった。
期待したいたものと違っていた
シュールリアリズムの映画なんでしょうけれどカットが凡庸でイマイチでした。監督は大作家らしいので小説はおそらく素晴らしいのかなぁ...特集していたので他の作品も観ようかと思っていましたが一気に覚めてしまいました。
映画館に張り出していた雑誌の切抜きを読むと基本的に「画」はこの映画と大きくは変わらないようです、う~ん自分にはピンときませんでした。
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