「原作ファンでした」聖☆おにいさん asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンでした
過去形なのは、コミックでたぶん七巻くらいまでしか読んでないと思うので。
高校生に倫理の教科書を借りて読み込む程度に宗教や思想というものにちょっとだけ興味を持っていた頃だったので こういう形でのパロディに爆笑したのだった。
ブッダが
悟りは開いといた方が何かと就職に有利
(みたいな感じの事)を言ったりするのが もうなんていうセンスだろうと思った。
日本人は 元来 多神教の素質があり、山には山の神 村には村独自の神 道路の神 と言った思想が根付いているから、仏教が根付いてからですら生活の基盤にはそれぞれ持つ神があったりした。
日本人の宗教感と言うのは世界では特殊であると言うのは間違いない。
私の実家にもそして夫の実家にも仏壇も神棚もある。
それが普通であり 熱心なカルトの方が異端だ。
世界的に言うと あなたの信じる宗教は何かと聞かれて
Nothingと言ってはいけないという通説があった(今は知らないけれど)
なぜかと言うと 宗教がないと言うのは相当に野蛮で良心がない人のように理解されがちだと言うのだ。
そうそう。
彼らがまともで立派な人でいられるのは、神に見張られてると思ってるからなんだ。だから宗教を持ってないと悪事を平気ですると思われる。
では日本人はどうか。
日本人の道徳心は宗教とは切り離されている。
そして もともと希薄だった宗教観が根底から引っこ抜かれたのは戦後の 天皇の人間宣言 だったのではなかろうか。
歴史的に見れば僅かの時間だが、昭和の前半 日本国民は天皇という一神教に近い形を取った。
そこが崩れると もうあとは なんでもいいですと言った形で新興宗教が乱立した。
戦後の混乱期には 確かに道徳心も倫理観も消え去っていたのかもしれないが 他人のものを盗んではいけないとか きちんと並びましょうみたいな事は 今の日本人にはおおよそ宗教心がなくともでき得る国民性であろうと 私は思っている。
なので こう言った イエスとブッダが 立川の安めのコーポに住んでるのが 笑えるのである。
これにムハンマドを入れなかったのは 相当な確率で
作者の正しい判断。
絶対 誰かがマジで マジな顔して殺しに来ますから。
asicaさんのことますます好きになりました。
このレビュー大変勉強になりました。
詳しくご説明いただきましてありがとうございました😊
家にも仏壇と神棚があります。
ほんと、イエスとブッダのお二人だけで良かった。
染谷将太さん、なかなかお経唱えるのがお上手でした。松山ケンイチさんは‥‥