劇場公開日 2022年6月17日

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「画のコントラストが気持ちよくハマる」峠 最後のサムライ asukari-yさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5画のコントラストが気持ちよくハマる

2023年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 小泉堯史監督が時代劇の作品を撮る。

 僕の中ではこれだけでこの映画を観る理由に足る。「雨あがる(2000)」や「蜩ノ記(2014)」を過去に観て、やはり見てしまうのは“画”の素晴らしさ。美しいんですね、観ていて。それでいて渋い。フィーリング的に好きなんです。だから今作も観ることに。

 ストーリーは幕末の長岡藩が舞台。戊辰戦争の火種は長岡にも来ようとしていた。幕府に残るか、新政府につくか。長岡藩家老:河合継之助はそのどちらでもない中立の立場、独立という大きな夢を抱えてこの難局を乗り越えようと画策していた・・・という感じです。

 正直ストーリーの内容としては、武士としてなにをすべきか、なんでしょうか。自分の中では最後まで武士というものを貫く男と言う感じの映画かなという印象です。何回か見ればもちっとわかる部分、見える部分が出てくるかな。ただそれ以上に、

画の方に魅入ってしまいますな。

 やっぱり素晴らしい。美しい、ではなくそのシーンに合ったコントラストの強弱、色の濃淡さがホントしっくりくる。自分の中では時代劇ほどその部分が画の作りにおいてシビアさが出ると思うんです。そのシーンの“重さ”を演技だけでなく画から作り出す。特に沼を渡る際の月のシーンなんかは惚れ惚れしますね。

 美しいではなく“気持ちよく見惚れる画”、今回も堪能させていただきました。

asukari-y