「原作と役者の無駄遣い感が凄い映画」峠 最後のサムライ スマヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
原作と役者の無駄遣い感が凄い映画
原作を読んでます。
河井継之助のどこが凄いか、どう着眼点が非凡だったのか、それを握り潰した官軍が如何に愚かで後の世に悪影響があったのか(少なくとも如何に被害が甚大だったか)。原作の良さをバッサリカットしたせいで、とんでもない駄作に仕上がってます。
サムライの精神って凄いよね、日本文化は美しいよね、それらの日本の良さが失われつつある現代は嘆かわしいよね…という老齢層のニーズを凝縮しただけのような。演出も何もかも古臭い。そして全く面白くない。
確かに役者陣の芝居は凄く所作が美しいです(演出は自己満足臭が鼻につきましたが)。
画面も綺麗で日本文化の素晴らしさは分かります。
でも、肝心なドラマの根幹部分や見せ方があまりに凡庸でどうしようもない。
戦略の重要なポイントであった筈のガトリング砲も全然大したように見えない。ショボいお荷物にしか。現物はそうでも見せる角度で印象は違う筈。確かにあれで凄い被害が出たんだから。その癖、風景をたおやかに眺めるシーンには尺を取りまくる。静と動、平穏と闘争という対比が際立ってこその演出やメッセージではないのか。
娯楽作品としても歴史的な検証作品としても成り立っていない駄作。
素晴らしい演技の役所広司が気の毒だった。
現代の映画に求められるレベルに全く達してない。誰か監督に助言をする人間がいなかったのか。
こんなので良しとするから日本映画、それも時代劇が駄目になるんだと思う。
共感ありがとうございます。
河井継之助のどこが凄いのか、ほとんど理解出来なかったので、あまり良い評価を付けれませんでした。原作ではそこらがちゃんと書かれてるんですね。司馬遼太郎原作なら当たり前ですよね。
納得しました。