劇場公開日 2022年6月17日

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「2年を超えて公開された大作。日本史枠で押すならこちらが本命。」峠 最後のサムライ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.02年を超えて公開された大作。日本史枠で押すならこちらが本命。

2022年6月17日
PCから投稿

今年169本目(合計445本目/今月(2022年6月度)16本目)。

さて、こちらの作品。そもそもは2020年公開予定だったのですが、コロナ事情いろいろがあって2022年の公開と2年越しとなっています(なので、フィルムも2020年公開を想定したような部分が存在する)。

この類の映画、つまり、戊辰戦争を描く映画としては、去年2021年に「燃えよ剣」がありましたが、おおむね高評価だったものの「描き方が変」(回顧形式になっているので見る人が混乱するが、おそらく海外進出を想定しているもので、なぜか日本映画なのに英語の字幕が入ったりする)というのはありましたが、こちらはそのようなことはなく、主人公目線になっています。

映画内で参照される人物は実在した人物ですが、そこそこマニアックです(新潟県にお住まいの方はいわゆる「ご当地枠」として歴史で扱うのかな?)。一方で戊辰戦争は常識扱いなので、このギャップをいかに埋めるか、という点が論点になってきます。

他の方も書かれていた通り、どちらの勢力にも積極的に味方するわけでもなく、むしろこの戦争が終わった後(史実であれば明治維新以降の文化の「大変革」といえるほどの変わりぶり)を見通して行動をとれるようなリーダー、それが真に必要なのだという趣旨です。

やや中学歴史(義務教育の範囲)を超えている(換言すると、高校日本史でないと扱わない内容)が字幕にまで及んでいますが、国語(古文)などから類推はできる範囲です。また、一部聞き取りづらい点がありましたが(新潟弁?単に「必要語彙」が足りないだけ?)、理解に妨げを与えるものではありません。

こちらの映画も実在する人物がベースですし、もとの小説もあります。あれこれ書き始めるとこれもネタバレになってしまいます(もっとも、小説を読んでしまえば「動画化された」という意味以外でのネタバレの概念は存在しなくなりますが)。

特に減点要素はないのでフルスコアです。

yukispica