「なんとも残念な作品でした」いちごの唄 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
なんとも残念な作品でした
家族の気遣い振りからすると、主人公はアスペルガー症候群の方なのかな、と思いましたが、私自身が専門的な知識やそれらを取り巻く環境や現場に接する機会がないので、他人とのコミュニケーションの取り方などが、真に迫ったものなのか、過剰な部分があるのかが分からないというもどかしさがありました。話し相手の心情を理解しようとする姿勢、それでも言いたいことがうまく表現できない様子は、ちょっと気の弱いどこにでもいる一般男性となんら違いはなかったので、どう受け止めたらいいのか悩ましくて、最後まで物語に入っていけないという結果になってしまいました。
主人公の状況についての説明的な描写が中学生時代のエピソード(例えば伸ちゃんと親しくなるキッカケなど)で自然に描かれていたら、もっと感情移入できたのではないでしょうか。
もし、ただの天然系の人だとしたら、その不自然なほど過剰な演技が、役者さんの力量や監督の演出に疑問符をつかせるほどだったので、なんとも割り切れない思いで一杯です。
題材や脇を固める役者さんたちが良かっただけにとても残念です。
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