「生理の話ではない、一体何が??」パッドマン 5億人の女性を救った男 じょえこさんの映画レビュー(感想・評価)
生理の話ではない、一体何が??
レビューを見ると「(特に男性は)生理について考えさせられる」や「生理の話はタブー」などと言った言葉を散見した。
そのような感想もアリなのかもしれないが、何だかモヤッと感が拭えない。
2013年にインドへ旅をしたが、有名な観光地ですら住民達は裕福とは言えない暮らしぶりだった。(彼らの国民性もあって真剣に働いているようには見えなかったが…笑 そこは映画でも描かれていた「仕事したつもり」なんだろう)
2000年初めのインド(しかも田舎)での実話となれば、ナプキンの55ルピーがどれほど高価で、55ルピーを手にする事がどれほど大変なことか。(映画では50ルピーで猿神様への供物を売っていたが、手のひらサイズの供物の花を現地の人々は2〜3ルピーで買うのが通常)
そして彼ら彼女らの多くは小さなうちからお金を稼ぐことをさせられ教養がない。
そこに加えて"宗教"という日本人にはなかなか理解の難いものがある。
生理が穢れの扱いで、生理中は外で過ごす(本当は男性と話をしてもいけないのだと思う)、そしてそこに男性は関わってはならず世間様に恥と思われる…
本編での家族とのやり取りや町の人々の反応は決してデフォルメされておらず、あれが本当のインドであろう。
宗教を否定する気は毛頭ない。
妻への愛に溢れる暴走。本人はそれがお金目的ではなかったが、結果として安価で衛生的、健康に過ごせる時間(60日)を手に入れることが可能となり、さらに女性の労働と収入を生み出した。
モヤッと感が拭えないのは宗教・貧困・教養、これらをもっと問題提起してもよいと感じるからだ。
(パッド売りの女の子が3ルピーで売ろうとしていたが、1円でも多く稼ぎたいというのがインドの現状。ここも見逃してはいけない。)
最後に、ラクシュミはパリーと出会えてとにかく運が良かった。