紅き大魚の伝説のレビュー・感想・評価
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中国新時代を代表するアニメ作品
日本アニメの影響を強く感じさせる中国のファンタジーアニメだが、一周回って帰ってきた来たと言うべきだろうか。『白蛇伝』などの初期東映アニメーションは、むしろ中国伝統の物語の影響も強いし、50~60年代は中国はアジアのアニメーション大国でもあった。監督たちは宮崎駿の影響を公言しているが、宮崎駿の原点が『白蛇伝』であることを考えると、そのセンスが先祖帰りしたと言える。
物語のモチーフは荘子「逍遥遊(しょうようゆう)」の引用から始まる。無為自然の思想で、人為的な振る舞いを良しとしないこの思想が根底にある物語だが、人ならざるものにも等しく生命を吹き込むアニメーションという技術にふさわしい題材だ。
物語のスケールも大きく、美術も美しい。少女がイルカに変身するシーンの作画も抜群に良い。音楽を担当しているのは吉田潔。壮大な世界観にふさわしい荘厳なスコアを作っている。
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