「楽園とは何か」楽園(2019) Jiroさんの映画レビュー(感想・評価)
楽園とは何か
<Story>
さっぱりわからないという人と心に響いたという二つに意見が別れやすい映画だ。まさに、何も考えずに見るとこの映画はさっぱりわからないと思う。
しかし、この映画は意外に深い。「集落」という一つのコミュニティに生きる人間と事件を通して、人の性を描いている。
人というのは保守的であり、変わろうとしない。
また、他人との比較による嫉妬や妬みというものを常に持ち、変わった存在を潰そうとする。
それがまさに、限界集落というコミュティで起きる事件をきっかけとして、描かれている。
集落というのは、一つの社会であり、まさにその人間の性が出やすい。
何か問題が起こると、誰か一人のせいにしようとする。
出る杭は打とうとする。
それらは、異質を認めなく変化も求めないものにとってはまさに楽園だが、そうでない人間にとっては、地獄とも言える環境である。
また、東京との行き来を物語に持たせることによって、地方と都市の問題点も暗示している。日本という国で今、集落というのは後継者もいなくて、どんどん実際に消えていっている。そこで生きる人はどうするのか、これは私たちの問題でもある。
<役者>
それぞれにはまっており、非常に良かった。
<映像>
日本の田舎、祭り、静と動が動かれており、それがまた物語とマッチしており、良い。
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