「すべてがミスリードされる」マイル22 R41さんの映画レビュー(感想・評価)
すべてがミスリードされる
当時大統領がトランプになったことで、ヒラリーになった場合のシナリオというのが陰謀論会でささやかれた。
それが、秘密裏にアメリカがセシウムを移動する際、ロシアによって奪われ、それを根拠にした核戦争を仕掛ける展開というものだ。
この陰謀論をモチーフにした作品。
アメリカは必死になって失ってしまったセシウムを取り戻す作戦を展開しながら、東南アジアに拠点を展開、その過程で知り合った警官から情報を取っていた。
歴代とのスパイアクションとの相違は、チームのリーダー役が徹底したパワハラ上司役を貫く点で、誰もが一緒に仕事をしたくないタイプになっていることだ。
しかしこの不穏な空気間こそが、この作品全体を覆っているのだ。
彼のマシンガンダメ出しによって、チーム全体が士気を狂わされるが、皆必死になって任務遂行にあたる。
この情報の入ったディスクは自動的に消去される仕組みになっており、時間までにこの警官が要望する亡命に協力するようになる。
地元警察は、彼の背任行為を知るが、それがセシウムのことかどうかは最後まで不明になっている。
ここに彼が仕掛けたものがあると思われる。
そしてそもそも、ロシアのどこかの局の長官の息子が、おそらく謂れもないセシウムの件で射殺されたことが、この件の動機で、その目的が主人公のチームそのものに対する復讐だったのだ。
主人公らの作戦は見事に失敗に終わる。そもそもそこにセシウムなどは関与していない。
一人生き残ったリーダーが、今回は俺の負けだというシーンで作品は終わる。
序盤に部下の女性の家庭がもめている設定があり、どうしても家庭と仕事の両立がうまくいかないような描き方をしていて、最後はどうにかなるのかと思っていた部分さえ裏切られてしまう。
実に面白く皮肉だ。そしてこれこそが今のアメリカそのものを表現している。
フォロー、共感、コメントありがとうございます。
キングスマンシリーズ面白いですよね。
スカッとアクションが好きな人には楽しめる作品ですね。
このマイル22もマーク・ウォールバーグ主演の「ザ・アクション」でとっても良かったです。