「教訓的エンターテインメント」サイゴン・クチュール pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
教訓的エンターテインメント
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テンポのいいストーリー展開で楽しめました。
慢心して落ちぶれていく主人公の姿を見ていると、自業自得、悪因悪果などという言葉が浮かんできますが、やがて彼女が一念発起して奮闘する姿は胸を打ちます。
この映画が伝えたかったことは「努力することの大切さ」かな? まあ、あんなに易々とアオザイ作りの技術を身につけることはできないと思いますが……。
僕は純粋なベトナム映画を観るのは初めてかもしれないけれど、本作のレベルの高さに驚きました。
カメラワークも巧みでハリウッドに負けてないんじゃないかと思ったし、60年代のシーンは昔のフランス映画を思わせるような独特の色合いで美しかったです。
ただ、中盤の、現代のシーンは、躍動感を出そうとするあまり、カット数が多くなりすぎて、ちょっとうるさく感じる箇所がありました。
ところで、エンドロールが始まって直後の「ママ、洋装店を開いてちょうだい」というセリフはすぐには意味が理解できなかったけれど、あれは歴史に辻褄を合わせるための言葉でしょうか。
エンドロールが終わって、いちばん最後のシーンは余計ですね。ニュイが改心したおかげで、代々家業が続いているということを表したかったのですかね。
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